内容説明
たいしたもんじゃないけれど、くちゃくちゃ噛んでいるうちに味が出てくるのでは…なるコンセプトのもとに結成された「東京するめクラブ」。村上隊長を先頭に好奇心のおもむくまま、「ちょっと変な」ところを見てまわった、驚天動地のトラベルエッセイ。まずは魔都・名古屋にて、名物喫茶メニュー“甘口抹茶小倉スパ”に悶絶トライ。
目次
魔都、名古屋に挑む
62万ドルの夜景もまた楽し―熱海
このゆるさがとってもたまらない―ハワイ
誰も(たぶん)知らない江の島
ああ、サハリンの灯は遠く
清里―夢のひとつのどんづまり
著者等紹介
村上春樹[ムラカミハルキ]
1949年、京都府生れ、兵庫県育ち。早稲田大学文学部演劇科卒業。79年「風の歌を聴け」でデビュー
吉本由美[ヨシモトユミ]
1948年、熊本県生れ。セツ・モードセミナー卒業。エッセイストにして「アンアン」「オリーブ」などで活躍した伝説のスタイリスト
都築響一[ツズキキョウイチ]
1956年、東京都生れ。89年から全102巻の現代美術全集『ArT RANDOM』を刊行したアート・デザイン編集の鬼才(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
243
村上春樹を隊長に、3人組で結成された「東京するめクラブ」。彼らが辿る名古屋、熱海、ハワイ、江の島、サハリン、清里―なんだかノスタルジーさえ漂う紀行だ。読んで1番面白かったのは名古屋。名古屋の常識と、他の地域のそれとの微妙な違和がかもし出す光景はやはり独特。全国が画一化する中で名古屋の一人わが道を行く独自性は見事。頑張れ名古屋!ホノルル・マラソンのからくりにも、熱海の面妖さにも、サハリンの自然にも、ひたすら感心することしきり。なお、本書には村上色はやや薄く、むしろ同行者の吉本由美の活躍が目立っている。2014/06/14
ハイク
128
村上春樹を含めて三人の旅行記。外国はハワイとサハリンで他の四カ所は日本国内。そこへ行って名物、文化等々多角的見地から、ワイワイのおしゃべりが楽しい。名古屋、熱海と清里は辛口だった。興味深かったのはサハリンで異界であった。昔流刑地今閑散地である。名古屋は東京等と比較すると異質に感じるという。道路の作り方からして独特でなじめない雰囲気があるという。熱海はかっては繁栄したが、廃墟になってしまったという。その再生の道はないのかと心配していた。ハワイは他の観光地と違って、独特の雰囲気で賑わっている。気軽に読む本だ 2016/09/30
ハイク
115
数多くのピカソの絵の中で最も印象深いのはニューヨーク近代美術館で観たピカソコレクションだった。学校の教室より大きい部屋に沢山のピカソの絵が所狭しと飾ってあり、中央にはピカソの彫刻品があった。ここで観た「アヴィニヨンの娘たち」を今でも覚えている。最近ではマドリッドで観たゲルニカがあった。約30分の専門員の解説で成程と理解が深まった。この2点はピカソの代表作という。絵画は画家の生き様、背景等を知らないと良くわからない。特に抽象画は解説が必要だ。箱根の彫刻の森美術館は昔見て抽象画でない普通の絵が印象に残っている2016/09/28
s-kozy
95
いい大人三人が肩の力を抜いて楽しんだ旅の記録。おかしい、楽しめました。村上春樹は小説よりもこういうエッセイや紀行文の方が面白いと思う。それと氏の文章のうまさに改めて感心した。吉本さんの文章は初めて読んだが、含羞を感じさせる文章に非常に好感が持てた。2012/10/19
ぶんこ
70
名古屋は2年暮らしたので、わかる、わかると共感する部分も有り、熱海は手軽に温泉を楽しむ地として年に1〜2回は行ってます。熱海の今は違いますよ。寂れた大型旅館はありますが、町全体に活気があり、色々な面白いイベントも沢山で、人出も有ります。まだまだ偏見は根強いようで、熱海に行くというと不思議がられるのが残念。江ノ島には20代の頃毎週末行っていたのに、足がガクガクになるような丘?山?があったとは。いまでは登れないので悔しいです。サハリンは興味があったのですが、読んだら行かなくてもいいかな。清里も再訪はないです。2015/10/06