内容説明
「昭和」とは一体どのような時代だったのか。キーワードは「アメリカの影」と「昭和天皇」にあると、平成を代表する歴史家・保阪正康は提起する。金融恐慌から敗戦まで、核心となる18年間を21の焦点に絞り、その時々の事象を、わかりやすく解き明かしていく。昭和が「歴史」になりつつある今だからこそ見えてくるものとは。
目次
昭和史を貫くアメリカの影
昭和の起点、金融恐慌はこうして起こった
帝人事件は「検索ファッショ」を促したか
決起はなぜ二月二十六日だったのか
二・二六事件、天皇激怒の理由
南京事件の引きがねとなった陸軍の戦場心理
トラウトマン工作、内幕のドラマ
三国同盟の真の演出者とは
日米開戦と石油備蓄をめぐる謎
真珠湾奇襲を知っていた日本人は誰か
真珠湾ロバーツ報告書をめぐる謎
玉砕を兵に強いた根拠とは
戦艦大和の沈没と戦争の原価計算
阿南惟幾はなぜ吉田茂を釈放したのか
天皇に「聖断」を決意させた情報源
ポツダム宣言受諾をめぐる二つの訳文
大本営参謀は在満邦人をソ連に売ったのか
彼らは何のために戦ったのか
軍人恩給のからくり
軍人・兵士たちの手記・回想録をどう読むか
昭和天皇、戦後史構築への視座
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部卒。編集者時代の72年『死なう団事件』で作家デビューして以降、個人誌「昭和史講座」を主宰して数多くの歴史の証人を取材、昭和史研究の第一人者として2004年、第52回菊池寛賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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