文春文庫
機会不平等

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  • サイズ 文庫判/ページ数 367p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167443030
  • NDC分類 304
  • Cコード C0195

内容説明

私たちは知らず知らずに階級分けされていく!?昨今の経済学者たちは、グローバリゼーションを生き抜くには競争原理を徹底せよ、と声高に主張する。が、その先にあるのは、機会すら平等に与えられない、新たな階級社会の現出ではないか。真に自由な人間とは何かを問いつづけてきた著者の、総決算的現場報告。

目次

第1章 「ゆとり教育」と「階層化社会」
第2章 派遣OLはなぜセクハラを我慢するか
第3章 労組はあなたを守ってくれない
第4章 市場化される老人と子供
第5章 不平等を正当化する人々
終章 優生学の復権と機会不平等

著者等紹介

斎藤貴男[サイトウタカオ]
1958年生まれ。ノンフィクション作家。ユニークな視点と確かな取材で、現代国家、社会の病理に鋭く切り込んでいる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

jima

14
終章最後の文。「現代の指導者層に最も不足しているのは、数多の提言が唱えるような創造力でも独創性でもない。他者の心や境遇に対するごく常識的な創造力と、人間としての最低限の優しさである。」全くそのまま今につながる。コロナ失政、夜の銀座通い、森暴言・・・。2021/02/07

白義

9
教育、介護、派遣と今の格差社会の、一番ホットなトピックを、豊富で具体的な取材で抉り、機会の不平等を結果的に促進、正当化する流れを生々しく描き出した、先鋭的かつ重要な著作。特に介護については今はさらに酷くなっていないだろうか。斎藤貴男は時にマッチョさすら感じもするが、社会の不平等、権力の流れとそれに苦しむ人々を描かせたらやはり素晴らしい仕事をする。それら不平等容認思想と社会の行き着く果てに優生学があることを分析しているが、そうなる前に踏みとどまってほしいものだ2012/09/12

Hiroyuki SATO

4
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1447110976&owner_id=7106525 いやぁ~、凄い衝撃だ。最近読んだ本の中では最も衝撃的で、一番勉強になった。世の中ってこんなもの?人類は成長していない? やっぱエスタブリッシュメントが強いのか。人間社会も結局のところ弱肉強食なのか? いや、人類は賢いはずだ。俺はそう信じたい。いつの日か、貧困や差別を解消できると俺は信じたい。2010/03/27

lily

3
資本主義やグローバリズムが闊歩すると格差が拡大する。それが「非才・無才は実直な精神だけ養っておけばよい」とする三浦朱門の上から目線につながるのだ。機会の平等も結果の平等もわかる。大事なのは、民主主義社会の中でこの平等をいかにバランスよくしていくかに尽きる。考えるのは私たちだ。霞が関の机上で組み立てられた理屈など、人間の生々しい営みの前には無意味である。それにしても、「夜の大運動会」でセクハラ三昧の住友不動産には唖然とした。前時代的すぎる。2015/12/08

ガンジス川沐浴子

3
かなり左な人。教育に格差はあるよなー、と思っていたけど、まさか遺伝子レベルで差別とか、社会が気持ち悪いことになっています。でも、私、教育に全く興味がないのでナナメ読みしました。あとは、派遣社員(弱者)をセクハラする話とか、介護の問題とか。竹中平蔵とか。不気味だけど あまりピンとこなかった。 2000年に書かれた本。2015/12/05

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