内容説明
「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」などのヒット曲で愛された歌手テレサ・テンが旅行先のタイで急死してから十余年。スパイ説、中国政府の罠、天安門事件との繋がり…残された謎の数々。本当の死因は何だったのか?中国と台湾の現代史の狭間で翻弄されながら歌に生きた「アジアの歌姫」の真実。
目次
第1章 想い出の余白
第2章 ふたたび
第3章 時の流れに身をまかせ
第4章 悲しい自由
第5章 冬のひまわり
第6章 春を待つ花
著者等紹介
有田芳生[アリタヨシフ]
1952年、京都府生まれ。出版社勤務ののちフリーとなり、「朝日ジャーナル」で霊感商法批判キャンペーンに参加。同誌休刊後、「週刊文春」などで統一教会報道や、都はるみ、阿木燿子、宇崎竜童などの人物ノンフィクションに取り組む。テレビ番組「ザ・ワイド」のコメンテーターも務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雲をみるひと
24
テレサテンの生涯がテーマ。諸説ある人物であることに加え作者の指向もあると思うが、かなり政治的によった強い書きっぷりに思える。歌手テレサテンというより戦後中国史に翻弄されたテレサテンについての本だと思う。2022/10/27
anken99
6
オウム取材で知られる有田さんの著作。台湾というセンシティブなエリアに生まれたテレサテンを、この人だから紐解くことができたのか。そのテレサの生涯は、まさに大河ドラマ。これだけ政治的背景に翻弄されていたとは知る由もなかった。テレサの歌声も聴いてみようと思う。2018/07/17
こちょこちょ
6
オウムの時に脚光を浴びた有田さん、こういうのも書いていたんだ。テレサテンの「別れの予感」が好きで今でも良く聞くが、テレサテンの人生まではあまり知らなかった。大陸では日本でいう美空ひばりくらいの存在であったが故政治利用されたりと悲運な一面もあったらしい。文庫本の解説を三浦しをんさんが書いており、しをんファンには嬉しい一冊だった。2017/09/08
アーク
5
テレサ・テンって思った以上に情の強い人だったんだな、と本書を読んで感じた。台湾に生まれながら両親の祖国である中国を愛し、天安門事件に心を痛める様子、数少ない恋人たちに献身的に尽くしながら仲を引き裂かれてしまう哀しみ。そんなに繊細で傷つきやすい心を持っているからこそ、特に日本語で歌う切ない歌詞や、中国語の歌の祖国への想いが凜々と伝わってくるんだろうな。富と名声を得ることと、門者の幸せを得ることは違うんだよな、と考えを新たにした一冊。2016/12/14
ひこうきぐも
5
読み応えありました。芸能人関係はリップサービスがあり今一ですがこの本は関係者への直接インタビューあり、実に深く詳しく書かれていました。一気に読んでしまいました。2012/12/09