文春文庫<br> 黒船の世紀―ガイアツと日米未来戦記

文春文庫
黒船の世紀―ガイアツと日米未来戦記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 537p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167431075
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

第一次大戦後に出された多数の日米架空未来戦記を日本人の精神史、日米関係裏面史として詳細に分析。日本の近代化、国際化を考える

内容説明

「日米、もし戦わば…」、日露戦争に勝利した日本、アジアへベクトルを向けるアメリカ、双方で「未来戦記」が流行した。疑心暗鬼の“物語”は、やがて現実と交錯してついに昭和十六年の開戦を招きよせる―。徹底取材と緻密な考証で世界史を舞台に近代日本を突き動かす「外圧」の本質に迫る、異色の日本精神史。

目次

第1部 太平洋へ向かうベクトル(外圧と薄幸の異端児;『次の一戦』の結末;“リー将軍”の冒険 ほか)
第2部 日米未来戦記の流行(欧州の荒野に立ちて;戦争は最大の冒険なり ほか)
第3部 物語と現実の交錯(東京大空襲を予知して;戦争を知らない作家の登場 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さっと

10
日露戦争後に流行した日米未来戦記をテキストに、黒船来航から敗戦までのおよそ1世紀にわたる「日本人の精神史」「日米関係裏面史」を捉える労作。それぞれの立場で世論を煽動した側面も考えると「メディア史」としても読める。海軍力をもとに日米による太平洋の攻防をほぼ言い当てていたイギリス人バイウォーターとのちに真珠湾奇襲を立案することになる山本五十六の邂逅、日米開戦時に「とうとうやったか」と「えらいことになった」と真逆の反応を示した日本の未来戦記著者の対比がハイライト。2022/03/12

T.K.

3
日米英で出された当時の未来戦記を追うことで、なぜ戦争への空気が醸成されたのかが分かり興味深い。日本がデータよりも外圧を意識して立場を形成する構造は今も同様な気がする。2011/06/09

Terry Knoll

2
大恐慌や不作から国民生活は貧窮に。アメリカへの移民が増加、排日移民法で門戸が閉じて後は、アメリカも日本もアジアへと。 つぎは日米決戦か?と双方で「もし日米、戦ば?」玉石混合の架空戦記・未来戦記が出版されます。 両国別々に発売されたものは、どちらも工業力の差から日本が敗北。勝利した米も経済が疲弊し転落すると予言するが、読者の目は日本勝利の本だけに向かう。 軍部主導で戦争になったととらえがちですが、実は国民やマスコミが煽り暴走をブレーキがなくなり突入したのも原因のひとつです。 2013/08/08

冬至楼均

1
流れで再読。良い本を書くんだけどなあ。2014/04/05

ななっち

1
石原莞爾は日米最終戦争を論じましたが、日露戦争後の早い時期から各国で未来戦記として日米戦争がかなり本として出版されていたのですね。アメリカではホーマー・リーの「無知の勇気」、日本では水野広徳が「次の一戦」(日本ではその他多数あり)を書き、それぞれ自国が負けると予想していた。そして、いくつかの本では史実と相当近似していたというから驚きます。まさに事実は小説より奇なり。2013/04/29

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