文春文庫<br> 黄昏のベルリン

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文春文庫
黄昏のベルリン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 441p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167420161
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

画家・青木優二は謎のドイツ人女性・エルザから、第二次大戦中、ナチスの強制収容所でユダヤ人の父親と日本人の母親の間に生まれた子供が自分だと知らされる。平穏な生活から一転、謀略渦巻くヨーロッパへ旅立つ青木。1988年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位に輝いた幻の傑作ミステリーがいま甦る。

著者等紹介

連城三紀彦[レンジョウミキヒコ]
昭和23(1948)年、名古屋市に生れる。早稲田大学政経学部卒業。52年「変調二人羽織」で幻影城新人賞、56年「戻り川心中」で日本推理作家協会賞、59年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で第91回直木賞をそれぞれ受賞。平成8年には『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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まこみん

33
ドイツが東西に分かれベルリンの壁が建巡らされていた1988刊行の本。混血の日本画家青木が、知らされていなかった自らの出生の真実を求めてパリ、ベルリンへ。突然現れた謎の美女エルザ。一見陽気な典型的アメリカ青年マーク。そのマークを密かに追うエディ。彼らが属する組織の存在。話は次第に大きく蠢き40年前のドイツ帝国崩壊時に収容所で行われたある手術の真実が判明する。最後に思い込んでいた事柄が裏返り驚いた。ベルリンという1つの都市を軍事的に強引に隔てた情景が克明に描かれて、もしこれが日本だったらと恐ろしくなった。2016/01/09

James Hayashi

24
ベルリンの壁の崩壊の前の話だが、2つの大きな組織や元ナチスとの絡み、ユダヤ人の収容施設から生き延びた日本人の血をひく青木の存在など興味を煽る。国際謀略小説と呼ばれるジャンルでスケールの大きな話で面白いのだが、虚構性が強すぎエピローグで切れてしまった。知的な文才を感じる著者であるが、もう少し小説の書き方とか勉強して欲しかった。なんとも読みづらく集中力が続かない。だがいい作品だったのでまた読み返したい。 2015/03/16

KAZOO

18
連城さんも歴史上の人物をうまく引用してミステリーに仕上げる分野を持っています。これも、最近ドイツの小説で復活したある人物と主人公にかかわる話ですが、国際謀略的な物語で場面も様々な都市を移動していて結構楽しめました。2014/08/01

hit4papa

18
冷戦時のベルリンの壁を舞台とした国際謀略小説というところでしょうか。いくつかのエピソードが除々にひとつに収斂していタイプの作品です。突拍子のない物語なのですが、単なる絵空事に終わらなせないところが良いですね。

オザマチ

11
美術館とオペラ、東西ベルリンとユダヤ人収容所。雰囲気や登場人物たちの心情に対し、読み手がどれだけ入り込めるかによって評価が大きく変わりそう。2015/07/26

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