文春文庫<br> 青が散る

文春文庫
青が散る

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 478p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167348021
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

新設大学のテニス部員椎名燎平と彼をめぐる男友達、女友達。彼ら青春の輝きと哀しみを描き、テニスというスポーツを初めて文学にして絶大な共感をよぶ長篇小説!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

210
新設校の第一期大学生たちの物語。宮本さんのあとがきに大きな説得があった。前作「道頓堀川」が夜なら、これは昼だと。物語は、テニス部創設から強豪への変遷を、友情と愛情とを揺れ動く男女関係を絡めて展開。青年期の自己形成の壁である社会の不条理や矛盾。その悩みを若者らしく公に共有させ、清々しく共感と反発を繰り返させる。問いは生きるとは何か。2度の「上手」と「強い」とは違う描写が解答の隠喩だったか。生は素直に許容すべきものが主張と感じた。大学教授の言葉「若者は自由であるべき。しかし潔癖でなくてはならない」が心に残る。2020/05/13

chikara

70
初の宮本作品は20年以上前の『青が散る』でした。確か高校の大好きな教師に薦められて、出会う事が出来ました。やはり素晴らしい作品でした。「若者は自由でなければならない。そして、潔癖でなければならない。」沁みる文章。覇道ではなく王道で生きよう! 青春時代が鮮やかによみがえりました!2014/05/30

美雀(みすず)

53
大学生活…。苦しい受験勉強から解放されて、謳歌する事だろう。と言ってもまた悩みはつきない。友情、恋、テニス。それらを巻き込みながら主人公は大学生活を送っていく。もう二度と訪れる事はない貴重な時間だと思います。2013/11/02

B-Beat

49
★面白かった。年末多忙で読み切れないかと危惧していたが、運よく読み終えることが出来た。そんなただ読み終えることが出来たに過ぎない事実が自分自身にとって何か掛け替えのない貴重に思えてしまうほどの充実した時間をプレゼントしてくれたというような。描かれている4年間の学生生活の数々のエピソード。どれも味わい深いというか。中でも生意気な後輩とのテニスの試合。遠くから誰かが観戦している…。手に双眼鏡が…。主人公が手にする「王道」の色紙。涙が出てしまった。2013年のラストに相応しい宮本輝作品だった。 2013/12/29

シェルティ

39
大学時代に見ていたドラマの原作。石黒賢さんはこのドラマがデビュー作。新しく開校した大学に入学。入学手続きのときに出会った夏子を思う遼平。テニス部を舞台に彼ら、彼女らの4年間が始まる。これぞ青春。自分の中でいまだ色あせないこの作品を満を持して読んだ。舞台が大阪だったんですね、ドラマは東京でした。読了してせつなくて、ちょっと立ち直れない。先日のオフ会の仲間との楽しいひと時と本日の喪失感。これも青春かな。もっと多くのみんなに読んでもらいたいな。2013/06/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/562722
  • ご注意事項