出版社内容情報
永遠不朽の作家は若くして一代の蕩児でもあった。恋愛、文学への大望……。真摯に放埓に生きた青年の彷徨の軌跡をたどるオマージュ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
34
中島敦。もっとストイックな人かと思っていたら、若い頃はそうでもなかったようだ。 若くして亡くなった中島敦、もうすこし生きていたらどんな作品を書いていただろう。2015/03/12
S.Mori
10
直木賞作家森田誠吾氏による中島敦の評伝です。淡々とした筆致ながら、中島敦に対する尊敬と愛情の念が行間から伝わってくる良い本でした。30代でこの世を去ったことが惜しまれてなりません。漢文と英文学の二つの素養を持っていたことが、作品の中に生かされたことが分かりました。意外だったのは、歌を多く詠んでいたことです。傑作とは言えないかもしれませんが、ユーモラスで情感あふれるものが多く、中島敦の別の顔を見る気がしました。「我が歌は拙かれどもわれの歌他びとならぬこのわれの歌」紹介されている歌の中でこれが一番好きです。2019/10/01
Gen Kato
2
中島敦が、というより森田誠吾さんの描く「人物論」が好きで手に取った一冊ですが、いろいろ興味深かったです。中島敦、意外に女癖が……とか。2015/10/01
はなびや
1
私がこの本ではっと思ったのは、中島敦が、南国パラオで文化の枯渇に悩んでいた時に、土方久功と出会ったというくだりだ。土方といえば、そう絵本『ぶたぶたくんのおかいもの』の作者である。2020/04/25
ずず
1
思ってた中島敦像とだいぶ違ってて面白かった。奥様や教え子に宛てた手紙の文面にユーモアがにじんでる2019/07/06