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文春文庫
私の中の日本軍 〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 342p
  • 商品コード 9784167306021
  • NDC分類 392.107
  • Cコード C0131

出版社内容情報

自己の軍隊体験をもとに日本軍についての誤解や偏見をただし、さまざまな“戦争伝説”“軍隊伝説”をくつがえした名著。鋭い観察眼と抜群の推理力による冷静な分析が光る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nakagawa

6
真実でないものが真実と捻じ曲げられている事は本当にいいことなのだろうかというようなことを問いかけている本だ。戦時中も百人斬りのように虚報がメディアによってとりあげられ戦後朝日新聞の本多記者によって報じられた。しかし日本刀は一人か二人かを切ればすぐに使い物にならなくなり百人斬りなどそのようなことはなかったと自らの経験によって理論的に説明した。日本軍は我々が思っている以上に欠陥組織であり、マッカサーのような総司令官がいなく天皇が総司令官のようなもので軍は無責任体制になっており奇妙な軍隊であった。2017/08/31

Jiemon

5
太平洋戦争末期のフィリピン戦で日本軍は壊滅的な敗北を喫した。その中で従軍した著者の貴重な体験が満載。先程まで笑顔で話していた仲間が、死んでゆくその死と隣り合わせの体験は、書き物を読んだだけでは到底理解できないかもしれないが、戦争というものがどんなものであるか肌身で感じさせてくれる。上巻から続く浅海記者の虚報によって処刑された向井敏明と、野田毅両少尉の話も延々と続きその思い入れの強さを感じる。「戦争とは輸送である」戦場は戦闘でなく、そこに至るまでの計画から輸送あってのものということは、今の露とウを見ると理解2022/10/12

Miho Haruke

4
下巻に至り、著者の軍隊体験の核心に触れたとき、著者のしつこく回りくどい書き方が、自分の書くことには可能な限り正しく、漏れがないようにしたい、という決死の思いの発露だったと気づき、茫然となる。自分はもちろんだが、今から本書を読む人は、戦争や軍隊を知らない人が殆どだろう。戦争の真実について溜飲を下げたくて読む人も、著者の主張に疑念を抱き確かめてやろうと読む人も、自分が信じたい戦争・軍隊の姿がかるがる自分を裏切ることに激痛を覚えるだろう。とにかく栞をはさむ箇所が多く、あっという間に栞が足りなくなった。2012/10/23

しんしん

3
憤慨と落胆と失望に嫌気…読んでいてとてもつらく、やるせない感情に満たされる。。 大本営発表、百人斬り競争、絶対に戦争にいかされることのない 気遣いのない人々 最も有害な存在である無責任な応援団… 著書の、虚報がまかり通った理由そして未だにそうである理由を徹底的に究明し、その究明を通してそこから将来にむけて脱却する以外に、解決する道はあるまい。との言葉に、とても重いものを感じた。 これだけの体験を振り返り書き綴る作業はとてもつらい作業だったろうし、思い出したくない事だらけだったろうと想像する。。2019/10/16

maghrib

2
「一下級将校の見た帝国陸軍」の方は(タイトル通り)陸軍の観察の比重が高いが、こちらは体験記の比重が高いかも。S軍曹、O伍長の話は重たい。2018/08/26

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