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文春文庫
ストーリーの迷宮

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167278250
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

自分が物語中に入ったのか、物語が現実になったのか。
かつて読んだ物語に自分の体験が混ざり、別の物語になるという構造の10の短篇。漱石からニーチェまで古今の名作が二重に味わえる。

内容説明

死体が埋めてあるというカシニョールの絵。黄色い沼地を描いた芥川の小説。「真珠貝で穴を掘り」死体を埋める漱石の『夢十夜』…。落と葉の積もる秋の夜、深い穴に飛びこんだ女を置き去りにしたのは現実だったのか、ただの夢か、もしかして昔読んだ物語の記憶なのか?森と死体をめぐる表題作ほか九つの短篇。

著者等紹介

阿刀田高[アトウダタカシ]
昭和10(1935)年東京に生れる。早稲田大学文学部仏文科卒業。国立国会図書館勤務を経て文筆活動に入り、54年、短篇集「ナポレオン狂」で第81回直木賞を受賞。平成7(1995)年、「新トロイア物語」で第29回吉川英治文学賞を受賞。平成15(2003)年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

102
2008/12/7 アシーネダイエー甲南店にて購入。 2019/12/16〜12/17 11年ものの積読本。 短編の名手、阿刀田さんの短編集。「薔薇配達人」、「白い顔」、「修善寺にて」、「カルメンお艶」、「学校が危ない」、「遠い贈り物」、「ロゴスを探して」、「昨日の花」、「神々は笑う」、「ストーリーの迷宮」の全10編。安定の阿刀田節。2019/12/17

MIKETOM

7
何を言いたいのか、というより、どういうコンセプトの下に編まれた短編集なのかよくわからない一冊。10編中はっきり小説と言えるのが五編。残りはエッセイもあるがエッセイなのか小説なのかよくわからない曖昧なものもある。ある一編などは突然ヘンな爺さんが出てきてぶつくさ呟きながら戦争反対を主張してたり…。なんなんだ、これは。面白いとか面白くないとか言う以前に、何を伝えたいのかさっぱりわけわからん。ある意味、阿刀田作品の中では異色の一冊と言えるだろう。ただし、残念ながら俺は評価できない。2020/04/22

さら

7
久々に阿刀田氏の本を読んだけれど、やっぱり好きだなぁと思った。起承転結のもっていき方が好み。『薔薇配達人』『ロゴスを捜して』が印象に残った。2012/12/08

けいちか

6
私小説的なものもあり(それは別のエッセイ集に書かれていることと、ほぼ同じ内容だった)、幻想的なものもあり、ちょっと今までの阿刀田氏の作品とは違うような。ただ、読みやすい文体はいつもの通り。不思議な感覚の「薔薇配達人」が印象的。2015/02/03

cithara

6
私が今まで読んできた阿刀田氏の作品より幻想色が濃く、十分作品世界を堪能した。誰にでも、タイトルは知っているけど読んだことのない本はあるものだ。氏はそれらについてさりげなく的確に要旨をおしえてくれる。本書でいえば、『雪おんな』『修善寺物語』『カルメン』・・・ それらはいつかは読みたいとは思うものの多分読まずにいるだろうと思われる。氏の解説を読んでいると、それだけで物語そのものを読んだ気になってしまうから困ったものである。巻末の文庫目録を見るのは楽しいものだ。『あなたの知らないガリバー旅行記』を読んでみたい。2014/04/22

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