内容説明
「そろそろ時間切れです。心の準備をして下さい」。メイに差出人不明のメールが届いた日から、夫は別人のように変わってしまった。しかも夫はその後、殺人容疑で逮捕される。続発する事件と過去とが繋がったとき、思いもよらぬ真相が明らかに。震災後の神戸を舞台に、愛の再生を描いた傑作長篇ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミスターテリ―(飛雲)
37
突然エレベーターが停止、明かりが消えた瞬間からすべてが始まった。そこからなぜか夫が別人に感じられ、不倫相手の女性の殺害容疑で逮捕される。神戸の土地にすべての謎が。テレビドラマのように謎が次々に提示されテンポよく話が流れていく、そして最終回、バラバラであったものがすべて主人公につながる。エレベーターのシーン、アイドルグループPINKの楽曲、ビンクの壁の建物、謎の新興宗教、六甲から見下ろす神戸の町並み、震災からの立ち直る姿など、すべてが映像向きで、謎解きもドラマチックで、いつかはドラマで見たい作品であった。2021/01/22
おくちゃん🌸柳緑花紅
37
夫を別人に変えたのは誰なの?その答えに、えっ!そういうことだったの?!阪神.淡路大震災がベースの喪失と再生のお話し。踏み出した足先にちゃんと地面があるかどうかなんて本当は誰もわからない...命がここにある。2013/11/07
coco夏ko10角
25
阪神淡路大震災から数年後、差出人不明のメールが届いた日から夫の達也が別人のようになって…。最初の方のメイが幸福な専業主婦のはずなのに幸せオーラが出ていなくてどこかざわざわした空気なのうまいなぁ。阪神淡路大震災のこと、別人のようになった夫・達也のこと、知り合いが殺害された事件のこと…。どんどん読み進めた。ちょっと気になる点もあるけど、それよりいいラストだなと。2020/09/13
crazy cool joe
14
あらぬ方向へ物語が進行していっておっと思った。雑というかちょっと流れ的に厳しいけどしっかりまとめているのがすごい。面白かった!2015/03/23
R2
14
再読。印象ある本だったのに、肝心な最後のところを忘れてた。震災は小さかったため話しか聞いたことがなく、実際経験した人と、そうではない人にはどうしても受け取り方に差が生じてしまうことは否めない。明日がくること、そしてその時周りにいる友人が大切。2015/02/12