内容説明
自分が誰なのか確認するために、まわりのすべてを数え続ける少年・ヒロキ。その笑顔は十歳にして一切の他者を拒絶していた!マコトは複雑に絡んだ誘拐事件に巻きこまれていくが…。池袋の街を疾走する若く、鋭く、危険な青春。爽快なリズム感あふれる新世代ストリートミステリー、絶好調第2弾。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業、広告制作会社を転々とした後フリーランスのコピーライターに。97年9月、「池袋ウエストゲートパーク」で第36回オール読物推理小説新人賞を受賞。生き生きとした語り口と現在を映しだすエッジの鋭さが高い評価を受けた。受賞作に続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』でデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
455
IWGP(こんな略号もつい先日まで知らなかったのだが)第2弾。3つの短篇と中篇を1つ収録。今回は冒頭にいくぶん幻想的な序章を持って始まる。前作に比べると、ヤクザ組織との繋がりなど、やや守備範囲を拡大し過ぎたような感もある。それはマンネリを打破するための危険な一歩だったようにも思われるのだが。また、最後に置かれた中篇「水のなかの目」では、これまでは直接は描かれることの少なかった暴力が前面に押し出されてくるが、これも小説にとっては危険な兆候か。篇中では「銀十字」が番外的ではあるものの異彩を放っている。2018/11/16
starbro
252
石田 衣良は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。IWGPシリーズ完読プロジェクト, 今回は第二巻。https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11337296?sort=book_count&order=desc オススメは、「水のなかの目」です。約20年前に書かれた作品ですが、PHS以外はあまり古さを感じません。2018/11/29
HIRO1970
197
⭐️⭐️⭐️⭐️石田さんはまだ4冊目。福岡出張で読みました。このシリーズは2冊目ですが、相性が合うのか?私的にはかなりツボにハマっています。(シブい独自の世界観はある意味Vシネマ的ですが、好きです。)こういったお話を読んでいると今まで以上に西口あたりが怖くなるのだけがマイナスポイントです。当時はまだ余り外国人系の活躍はありませんが、今はチャイナタウンになってますので回を重ねると段々現在の状態に近づくのでしょうか?取り敢えず次は3冊目チャレンジしてみます。2016/09/07
zero1
165
鮮やかさと軽さはそのままのIWGP第二弾。「妖精の庭」はストーカー退治。LGBTは石田らしさ。表題作はLD(学習障害)の少年失踪。ベースはサヴァン症候群を描いた映画「レインマン」か。「銀十字」は下ネタ老人二人(笑える!)と引ったくり事件を追う。「水の中の目」は暴力団の秘密パーティー襲撃。事件の裏は予想できなかった。障害者の風俗というのはいかにも石田。女子高生コンクリート詰め事件(88-89年)がベースになっていると見た。石田らしくキレイゴトもあるけどグロな場面も。賛否分かれる?次は直木賞候補「骨音」。2019/06/03
れみ
140
IWGPシリーズ2作目。表題作はマコトとヒロキの心の通い方が好き。ページ数的にはこの本のメインになる「水のなかの目」は思った以上にバイオレンスで救いがなくてやりきれない。マコトのお人好しなところやタカシのクールに見えて奥底に熱が見えるところがやっぱり良い。2015/03/10