内容説明
KAMIKAZEといえば、米艦船に突っ込む零戦の映像フィルムや鶴田浩二しか思い浮かばない1965年生まれのならず者が、元特攻隊員の肉声に触れる旅に出た。予科練入隊直後の15、16歳の軍国少年が「報国」や「英霊」といった言葉に高揚する姿や、出撃前の特攻隊員の目に輝く青い炎に、彼は何を見たか。
目次
『九州取材レポート』No.1
「死ぬのが恐かった」と言えない特攻隊員の戦後
神風特攻隊資料転送
Yes!ヘアスタイルはシャギー
「死ぬための早道」「予科練志願」
第一国分基地跡に吹く擬音
元特攻隊員取材ファイル in Tokyo
夢うつつ/知覧町・石灯篭
ヨタ話・ドラマ月月火水木金金
涙をふいて抱きしめあっちゃえ…知覧町2
ガキの逸話・特攻隊と淫売宿
ちぇ~ぃぃぃ・狂気の陸軍少尉
「元海軍水兵」取材レポートNo.264
夜空ノムコウ・「星秘膏」とアンフェタミン
陸軍少年飛行兵・敗戦のPKOミッション
「オヤジ、涅槃で待つ」・初恋の人は特攻隊員
痛みを抱きしめながら、あの旗を撃て!
著者等紹介
石丸元章[イシマルゲンショウ]
1965(昭和40)年生まれ。法政大学中退。ライター、DJとして活躍するなかで発表した「SPEEDスピード」が注目され、以後、さまざまな雑誌でエッセイやノンフィクションを執筆している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
8
実家の本を整理していた際に発見し再読。特攻隊関係者へのインタビューを構成した意欲作。自分を曲げず体当たりを試みる作者らしさが随所に出ているし、同テーマ作品より特攻隊の生き残りの方達の本音を引き出してる面もあると思う。ただし、個人的には純粋な体験談に作者の良さをより感じる。2019/03/17
魚京童!
8
永遠の0の原作か?2015/07/04
344
4
『永遠の0』を読んでまた読みたくなったので、何度目かの再読。やっぱりこっちが好きだな。悲惨さはしっかり伝わるし、日本刀で切りかかってきた老人のようなある種のイタさ・滑稽さも、戦争のまぎれもない側面で、それをひっくるめて出しているところがこの本に魅かれる理由なのだと思う。『永遠の0』を読んだ人みんなに勧めたいが、今年職場に入って来たばかりの女子に貸すかどうか悩む……。2015/07/16
きるきる
4
残念ながら途中読み。内容はとても興味深く真面目で意義あるものながら、いかんせん文体について行けず。トホホ…おばちゃんだめです。2013/02/12
虫歯治療中
4
パッションが強い作品。まとまりのなさが気になるが、現代人の目で特攻がどのようなものであったかという点を、虚飾なく描ききれていると思う。