文春新書<br> 古関裕而の昭和史―国民を背負った作曲家

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文春新書
古関裕而の昭和史―国民を背負った作曲家

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  • サイズ 新書判/ページ数 304p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166612567
  • NDC分類 762.1
  • Cコード C0295

出版社内容情報

戦争、甲子園、オリンピック、怪獣映画――戦中から戦後まであらゆるジャンルで音楽を生み続けた生涯を今注目の論客が読み解く。

内容説明

軍歌「露営の歌」、早稲田大学の「紺碧の空」、読売ジャイアンツの「闘魂こめて」、怪獣映画の「モスラの歌」、原爆鎮魂の歌「長崎の鐘」―ジャンルを超えていまも愛唱される5000曲はどのようにして生まれたのか。日本人の欲望に応え続けたヒットメーカー。連続テレビ小説「エール」のモデルになった80年の生涯。

目次

第1章 好きになったら一直線(一九〇九~一九三〇年)
第2章 ヒットを求めて四苦八苦(一九三〇~一九三六年)
第3章 急転直下、軍歌の覇王に(一九三七~一九四一年)
第4章 戦時下最大のヒットメーカー(一九四一~一九四五年)
第5章 花開く大衆音楽のよろず屋(一九四五~一九七三年)
第6章 経済大国の大門を叩く(一九五二~一九八九年)

著者等紹介

辻田真佐憲[ツジタマサノリ]
1984年、大阪府生まれ。近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院文学研究科中退。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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trazom

48
事実関係を踏まえた見通しの良い評伝。「露営の歌」を嚆矢とする軍歌の作曲が、古関先生の陰と言われるが、後年「あれは軍歌ではなく戦時歌謡」などと言い繕う必要などなかったという著者の指摘は正しいと思う。戦前は大学応援歌、戦中は軍歌、戦後はラジオドラマ、高度成長期には数限りない校歌・社歌そしてオリンピックと、古関先生の音楽は、イデオロギーとは関係なく、近代日本の歴史そのものである。いつも少しばかりの哀愁を湛えた上で、人々の士気を高揚する不思議な力を持っている。そんな古関作品の音楽的な分析があってもよかったかも…。2020/05/20

ころこ

30
4月から始まった朝ドラ『エール』の元ネタの生涯を描いています。郷土・福島では有名で、『エール』の制作誘致に盛り上がりをみせたようです。『六甲颪』の作曲家と知れば、親近感もわいてきます。注目するのは作曲数の多さで、5000曲といわれているのは多数産出している喩えで、最初のコロムビアとの契約条件は月平均6曲というものでした。明治に生まれ、平成に亡くなった古関は昭和に活躍しています。昭和の前半は軍歌をつくり、後半は大衆音楽をつくります。『オリンピック・マーチ』のような時代のメルクマールとなる曲もつくっています。2020/04/23

おっとー

14
一人の人物の評伝から歴史を描くという、筆者にとっての新たな試み。時折想像を交えつつも、研究者らしく史料の読み込みも欠かさない非常にバランスのとれた本。古関裕而は流行歌、軍歌、オリンピックマーチ、社歌、ラジオドラマ曲と本当に幅広いジャンルで作曲を手掛け、その一つ一つに昭和の歴史と彼の物語が詰まっている。その人生は良曲を多数残した成功者とか、軍歌に加担した悪者とかいった一面的な善悪論で語れるものではなく、時代の要請に答え、ひたむきに作曲を続けた一人の複雑な人間として捉えなければならない。2020/08/18

パラオ・スパニッシュフライ

13
古関裕而、なぜこの作曲家を知らなかったのだろう。福島に住んだこともあるのに、こんなにも身近に彼の曲が溢れているのに、彼のことを何も知らなかったなんて何かの陰謀と考えるしかない。日本が良くも悪くも一番輝いていた時代、昭和。古関裕而を知ることは昭和を知ること。戦前の大衆歌からはじまり、戦地に赴いて軍歌を作り、戦後はドラマ、スポーツ曲、社歌校歌そしてオリンピックマーチ。常に昭和日本の人々の心を掴んできた偉大な作曲家です。本を読んで彼の曲を知り、YouTubeで聴いて当時を憧憬。とても濃い時間を過ごしました。2020/08/11

さとうしん

10
中公新書の『古関裕而』と比べると、英国の作曲コンクールで二等当選したという話の真相追究、妻の金子が株に熱中していた話など、ゴシップ的な話題が多く、良くも悪くも飾らない内容になっている。SPレコードや当時の専属契約の説明があるのもよい。ノンポリゆえにどんな政治的音楽でも自由自在に作れたという指摘には若干保留をつけた方がいいようにも思うが。2020/04/10

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