出版社内容情報
なぜ不平等は生まれるのか? どうすれば平等に近づけるか? 経済学者たちが問い続けてきた二六〇年間の議論が、この一冊で分かる!「ピケティが示した不平等の歴史的な展開を、さらに歴史的に俯瞰する。格差論の
未来のために!」――『21世紀の資本』共訳者・山形浩生氏 推薦
フランスの経済学者トマ・ピケティによる大著『21世紀の資本』が公刊されたのは2013年。その後、ノーベル経済学受賞者のスティグリッツやクルーグマンらの推薦もあって英訳から火がつき、瞬く間に世界的にベストセラーになりました。
しかし、どうしてそのような大ブームになったのでしょうか?
実は、すでに下地はできていたのです。高度成長を終えた先進国のなかでは、ピケティしかり、日本の「格差社会」「大衆的貧困」ブームしかり、明らかに「不平等ルネサンス」とでもいうべき学問的潮流が起きていたのでした。
それではいったいいつ、経済学者たちの「不平等との闘い」は始まったのでしょうか? 本書では、ピケティ的な意味での「市場経済の中での不平等(所得や資産の格差)」に焦点を絞り、その歴史を紐解きます。
まずは18世紀にフランス革命の思想的後ろ盾となった、ジャン=ジャック・ルソーと、そして“神の見えざる手”で知られるアダム・スミスから議論を始め、マルクス経済学、近代経済学、ピケティの下準備となった期間「不平等ルネサンス」、現代のピケティまで、260年間におよぶ不平等と闘った学問的軌跡を追っていきます。
稲葉 振一郎[イナバ シンイチロウ]
内容説明
不平等や格差の議論は、そもそも、いつから、誰がしてきたのか―。トマ・ピケティ『21世紀の資本』で火がついた「不平等との闘い」二六〇年の学問的軌跡を、丹念に紐解く。
目次
はじめに―ピケティから、ルソーとスミスへ
スミスと古典派経済学―「資本主義」の発見
マルクス―労働力商品
新古典派経済学
経済成長をいかに論じるか
人的資本と労働市場の階層構造
不平等ルネサンス(「クズネッツ曲線」以後;成長と格差のトイ・モデル;資本市場の完成か、再分配か)
ピケティ『21世紀の資本』
ピケティからこころもち離れて
著者等紹介
稲葉振一郎[イナバシンイチロウ]
1963年東京都生まれ。明治学院大学社会学部教授(社会倫理学)。一橋大学社会学部卒業後、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
masabi
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
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