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文春新書
東京裁判―フランス人判事の無罪論

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  • サイズ 新書判/ページ数 255p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166608928
  • NDC分類 329.67
  • Cコード C0221

出版社内容情報

フランス人裁判官アンリ・ベルナール。インドのパル判事らと並び、東京裁判の最終判決に異議を唱えた孤高の裁判官の知られざる実像。

内容説明

インド代表のパル判事らと並び、東京裁判の最終判決に異議を唱え続けたフランス人判事、アンリ・ベルナール。その存在を見過ごされてきたのはなぜか。連合国の正義原則に真っ向から立ち向かった反対判決文、孤高の生き様を辿りながら紡ぐ、もう一つの東京裁判史。

目次

第1章 忘れられたフランス人判事(サルコジの来日;国益と栄誉 ほか)
第2章 「神の法」とは何か(東京を拘束するニュルンベルク;管轄権動議 ほか)
第3章 正しい戦争、不正な戦争(難航した判事指名;たまたま東京へ ほか)
第4章 「判定は正当なものではあり得ない」(予審の必要性;レーリンクの弱さ、パルの過ち ほか)

著者等紹介

大岡優一郎[オオオカユウイチロウ]
1966年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後の91年、NHKにアナウンサーとして入局。フランス・リヨン第三大学大学院にて国際政治学を専攻後、96年にテレビ東京に移る。主に報道番組のキャスターを務め、現在は編成局アナウンス部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

44
東京裁判の根拠法である裁判所憲章の合法性に疑問を呈し、証拠不十分で有罪判決に反対を主張する一方、天皇の戦争責任や米の原爆投下責任に言及したフランス人判事・アンリ・ベルナ-ルをドキュメント。併せて視聴したNHKテレビ「ドラマ・東京裁判」と相まって、政治ショ-としての性格の強い裁判(戦犯の方に罪がないという意味ではなく)と、その中で法律家としての矜持に苦悩した人々のドラマが鮮やかに蘇る。2021/06/03

jack

8
理不尽という唾棄を催す嫌悪感。自然法を陵駕できない成文法。人を裁く真理は、人にしかない。☆4.6 良書。2016/08/09

叛逆のくりぃむ

7
 東京裁判に携わったフランス人判事アンリ・ベルナールに迫るノンフィクション。英米法と大陸法の意識の差やベルナールの法思想について非常に興味深く読み取れた。ベルナールも時代の子であったと強く感じられた。2020/10/02

Maiko Araki

3
東京裁判について知りたく、切り口として判事の一人、アンリベルナールを扱っている本書を。敬虔なクリスチャンにして、従軍、植民地判事を歴任し、東京裁判に判事として列席した。神の法たる自然法のことを知り、人を裁くのは人、という言葉の意味を今まで以上に意識させられた。自然法への信頼と本人の気質で、アングロサクソンが支配する東京裁判に物申し続ける。著者が齋藤秀雄の言葉を引用して、中庸である事は最も激しい思想で、自律的に判断しようとする精神の活動と述べている。確かに自然法に近い概念だが、信仰でもないと難しい事だな。2017/01/31

Shun

3
フランス人判事、アンリ・ベルナール氏について。論理性と明晰性を重んじる人物である。可変的で相対的でしかない実定法で裁こうとする各国の判事に対抗し、自然法で裁くべきであると主張する。彼によれば自然法でも戦争犯罪は存在すると云うことだった。筆者に依ってベルナールを評価する傾向が見られる。確かに大国に追従するより自らの信念を貫こうとする姿勢に於いて評価出来る点は幾つかある。然し日本人の自分からしてみれば、矢張り欧米のルールと価値観で裁いたのかと、極東国際軍事裁判に更なる不信感を募らせる結果となった。2013/07/10

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