文春新書<br> ネジと人工衛星―世界一の工場町を歩く

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文春新書
ネジと人工衛星―世界一の工場町を歩く

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166608775
  • NDC分類 509.216
  • Cコード C0255

出版社内容情報

ネジ、バネ、パチンコ玉から新幹線や航空機の部品、小型人工衛星まで。「モノ作りニッポン」の原点を求めて工場密度日本一の町を歩く。

内容説明

工場密度日本一の町・東大阪市高井田では、ネジ、バネ、パチンコ玉から新幹線・航空機の部品、小型人工衛星まで多彩な製品が産み出されている。不況、大手メーカーの海外移転、アジア勢の猛追…。数々の苦境を乗り越えながら「モノ作りニッポン」の原点を守る人々を描く。

目次

第1章 信用。(スプリング製造 竹山保さん・一成さん―ええもん納めて金もらうのが日本人のお金の儲け方や。;精密部品、金型等の金属表面処理 水野晃さん・理志さん―僕らの世界でミリっていうのは、みなさんのメートルぐらいの感覚です。;金属加工、試作品・単品・小ロットの製造 奥村義久さん―「あんたんとこ過剰品質や」言う人いてますよね。;ネジ製造―注文は数やなくて、キロ単位。何個あるかはわからんわけです。)
第2章 技術。(金型肉盛り、修理 川勝親さん―10年に1回しか使わんような材料も置いてます。;機械部品製造、アルミダイキャスト等の鋳造 谷村佳昭さん・和彦さん―ただ図面どおり作ってるんじゃ使えないんです。;金型製造 大垣貴嗣さん―うちのような商売がなかったらロケットも作られへんやろうし。)
第3章 矜持。(鋼球、プラスチック球製造 佐藤和彦さん―最終的には検査は人間の目でしか無理なんですよ。;銅合金鋳造 上田富雄さん―材料も僕は1軒からしか買いません。;鉄道用電車金具製造 濱谷和也さん―中国には、こちらから積極的に技術支援しています。;航空機機体部加工、金型・設備装置設計製造 青木理さん―うちの名前が知られたのは、人工衛星「まいど1号」の件ですね。;スプリング製造、販売全般 笠井潔さん・洋子さん―うちしか出来ないから高くいただきますってことは通用しないですね。;リサイクル用粉砕器・破壊機の製造販売 鈴木雅之さん―うちは「もったいない」の老舗、世の中が後からついてきたんです。)

著者等紹介

塩野米松[シオノヨネマツ]
1947年、秋田県角館生れ。東京理科大卒。聞き書きの名手で、失われゆく伝統文化・技術の記録に精力的に取り組んでいる。2003年『なつのいけ』で日本絵本賞大賞受賞。同年、それまでの作家活動を讃え、国際天文学連合より小惑星11987にYONEMATSUの名が授与された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

46
本書は著者らによる大阪高井田地域の職人さんにインタビューをし、まとめたもの。私も職業柄本書の中の仕事と近い分野をやらせてもらっているが、非常に共感というかあるあるとか、なるほどと思える内容が多かった。2012/09/30

メタボン

23
☆☆☆ 町工場の数が大幅に減り「空洞化」が言われている日本のものづくり。そんな状況の中でも、頑なに技術を守り奮闘している中小企業をリスペクトする。2代目、3代目の経営者の話が多いが、共通するのはものづくりに対するぶれない熱意。高品質の多品種少量生産で得意先に細やかに対応するのが町工場の本領。2015/09/30

C-biscuit

13
図書館で読む。最近下町ロケットを読んだので、この本はリアルな世界を広げてくれる。タイトルの人工衛星はそんなに出てこないw。基本的には、東大阪市にある高井田地区の中小企業のものづくりの熱い思いが語られている本である。全体的に規模を負わずに、品質で勝負している。会社を大きくしていくのが企業の宿命のように感じてしまうが、ここに出てくる人達は、大きくすることのリスクをしっかり捉え、自分たちの存在価値を十分に理解し、活用している。先細っていく産業に対してもしっかりと手を打っており、生き残れる人達である。素晴らしい。2015/11/15

Kei

7
東大阪市高井田にある町工場を紹介する本。町工場を切り盛りするおっちゃん達の言葉を書き起こした形式で書かれており、おっちゃん達の経営哲学や人柄が見えてくる。下町町工場に想像される、人や技術を大切にした会社が多くあり、それは後生に残していきたい日本の技術力の原点とも言えるべき物であった。2016/03/09

仲本テンカ

5
大阪の工場のおっちゃん(社長さん)達へのインタビュー集。すべての方が、自らの仕事や技術に誇りを持っていて、すごいと思いました。技術の高さとは、大量生産の相手に対抗しうる、大切な武器なのですね。日本人のものづくりの精神って、崇高だなぁと感じました。少しだけでも、見習わないとなぁ。2013/01/08

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