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文春新書
修羅場の経営責任―今、明かされる「山一・長銀破綻」の真実

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  • サイズ 新書判/ページ数 211p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166608256
  • NDC分類 338.17
  • Cコード C0236

出版社内容情報

山一の社内調査委員会で経営責任を追及し、長銀事件で経営陣を国策捜査から救った弁護士。自らの秘録を通じ、金融システムを問う。

内容説明

山一證券の破綻では「社内調査委員会」に入り経営責任を追及し、長銀事件では経営陣を守り国策捜査と戦う。歴史的金融破綻に立ち会った危機管理弁護士が問う、真の経営責任とは。

目次

第1章 山一證券破綻と社内調査委員会(ミンボーが得意な町弁;山一證券「総会屋絶縁チーム」に抜擢される;青天の霹靂だった自主廃業決定 ほか)
第2章 長銀破綻と国策捜査との闘い(突然の電話依頼;須田弁護団の結成;心を傷つける新聞マンガ ほか)
第3章 「企業の社会的責任」を果たす「前向きの責任論」(山一「社内調査委員会」の意義;長銀「国策捜査」の問題;「第三者委員会」方式による危機管理へ ほか)
あとがき―「経営責任」とは、どういうことか

著者等紹介

国広正[クニヒロタダシ]
1955年大分県生まれ。東京大学法学部卒業。弁護士(国広総合法律事務所)。専門分野は、企業の危機管理(プレス対応を含むクライシスマネジメントの立案・実行、重大案件の社内調査)、リスク管理体制構築(コンプライアンス、内部統制、コーポレートガバナンス)、会社法・金融商品取引法分野の訴訟(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

33
1997年の山一證券、98年の日本長期信用銀行。金融機関の破綻と再生の30年間だった平成という時代。象徴的な2つの破綻金融機関の第三者委員会の委員と、経営者の弁護人を務めた著者の経験談。検察捜査のように経営の暗部を暴いた第三者委員会での仕事と、逆に検察の「国策捜査」にゲリラ戦で抗う弁護活動の仕事が、対照的で興味深い。まさに日本の金融史の一側面を切り取った良書ですね。「街弁」の気概を感じさせる著者の文体はストレートで熱い。ここまで裏話を晒しても良いのだろうか?とこちらが不安になる程です笑。2018/05/29

Miyoshi Hirotaka

26
チームのためといえども反則をすればイエローカードだが、「会社のため」という金科玉条は法律を超えた。山一証券の自主廃業は、某国の「反日無罪」と同じ。一方、優勝できなかったのは、監督の責任であり、決勝戦での選手の反則が原因ではない。経営責任と法的責任は別物だが、国策捜査が作ったストーリーとそれに拍手喝采する大衆に迎合し、意図的に混同されたのが、長銀の破綻。これらの悲劇は私法、公法の濫用が直接の原因。しかし、根本原因は環境変化を楽観視し、内部刷新を先送りしたこと。変化の法則は人間が作った法よりはるかに無慈悲。2015/07/04

みねたか@

21
山一と長銀。バブル崩壊の象徴的な破綻。山一の調査委員会委員,長銀の経営陣の刑事弁護人を務めた著者の渾身の一冊。株の暴落による簿外債務を隠蔽した山一。最後まで自浄作用が働かなかった経営,最後に梯子を外した大蔵省。描かれる世界はまさにドラマのよう。一方,長銀は金融破綻のつけを経営陣の犯罪という構図に押し込めようとする国策捜査とそれを追認する刑事裁判の様子が生々しい。必要なのは経営者の覚悟と、失敗の検証結果を社会の共有財産とする仕組み,それを担保するのはステークホルダーである我々の冷静な判断2018/09/08

ふみりな

3
山一証券の調査委員会と長銀の粉飾決算訴訟を担当した国広弁護士自身の著作だけに、事実に基づいた丁寧な記述が非常に迫力がある。本著書はその真相を知ることにも意義があるが、もっと大切な事は著者が指摘している通り、会社が不測の状況に置かれた際に経営者としてどのような対応が取れるのかということだろう。言い替えればその修羅場に誠実に立ち向かう胆力と知性と行動力を持ち合わせているかどうかだろう。会社経営、特に社会的影響の大きな大企業の経営にはその覚悟と資質が求められている。2020/04/17

okadaisuk8

2
 山一と長銀破綻に原因究明委のメンバー、地検特捜部に無理矢理粉飾の罪に問われた経営者の弁護人としてそれぞれ関わった体験がコンパクトにまとめられて興味深い。ちょっと筆者のあふれる自信が鼻につく時があるが(笑)2017/11/13

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