文春新書
東京裁判を正しく読む

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  • サイズ 新書判/ページ数 267p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166606603
  • NDC分類 329.67
  • Cコード C0232

内容説明

東京裁判の判決から六十年がたつ。東京裁判研究をリードしてきた二人が、近年、海外や日本で続々と公開、発掘された新史料を丹念に読み解きながら、徹底的に語りつくした決定版。

目次

第1章 A級戦犯二十八人はなぜ選ばれたのか(「朋あり、遠方より来る」;「ポツダム宣言」から始まった ほか)
第2章 東京裁判の舞台裏(一枚岩ではなかった弁護団;アメリカ人弁護人との対立 ほか)
第3章 「パル判決」の真実(「判決」の名付け親はパル自身;「アジア」「東洋」に寄せる思い ほか)
第4章 戦後日本史のなかで考える(パルの「文明多元論」とは;古代ローマ以来の「正義の戦争」 ほか)
第5章 二十一世紀からかえりみる(丸山眞男の功罪;「東京裁判史観」をめぐる思考停止 ほか)
東京裁判前史―理解の深化のために

著者等紹介

牛村圭[ウシムラケイ]
1959年石川県生まれ。東京大学文学部(仏後仏文学)卒業。同大学大学院(比較文学比較文化)、シカゴ大学大学院(歴史学)、各博士課程修了。学術博士(東京大学)。国際日本文化研究センター教授。著書に『「文明の裁き」をこえて』(中公叢書、山本七平賞)他

日暮吉延[ヒグラシヨシノブ]
1962年東京都生まれ。立教大学法学部法学科卒業。同大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。政治学博士(学習院大学)。鹿児島大学法文学部教授。専攻は日本政治外交史・国際関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Porco

16
東京裁判は、法学ではなく、政治学の視点から見たほうが面白いし、そうしてこそ、歴史の中に位置づけられるのではないでしょうか。2020/04/01

こまったまこ

8
東京裁判を勉強中の身には復習にもなり、また新しい発見もあってとても有意義な読書になった。対談形式なので読みやすく、説明も丁寧なのでとても分かりやすかった。東京裁判がアメリカ主導ではなく判事も検事もイギリスが主導権を握っていたということには驚いた。色んな分野の人の意見が取り上げられていて、中でも野茂の日本社会論はなかなか興味深い。2015/11/29

加藤久和

6
東京裁判ものに迂闊に手を出すと偏った政治的主張によってかえって目を曇らされる場合が少なくないわけだが、この本は堅実な学者らしい丁寧な事実検証にもとづいており新書でありながら大変優れている。東京裁判を巡る議論は誤解に端を発するものが多く、いずれの論者もまずは基本的事実の確認から始めるべきだ。例えばこの本で指摘されている、東京裁判の判決は「被告個人」を有罪にしたものであって「日本」という国家に有罪を宣告したものではないということ。これなども誤解されがちな点ではないだろうか。東京裁判に関心を持つ向きは必読。2014/05/08

mikky32

3
大切なのは、イメージや先入観を捨てて、用語の意味や当時の歴史的背景を正しくとらえることだと感じた。一番重要なのは、裁判で裁かれたのは「日本」ではなく「個人」であるということと、裁判である以上、A級戦犯となった個々の被告には「侵略戦争の全般的共同謀議」などの個別の訴因がありそれに対してその事実があるか否かを問われているのであって、「日本が戦争をしたこと」自体に対する指導者としての同義的責任を問われているのではない ということだろう。感情的にならず冷静に資料を分析する姿勢が大切だ。2011/10/25

wanted-wombat

1
対談形式で書かれているので、とっつきやすい。また、巻末には「東京裁判前史」も書かれており、初学者にもやさしい。 先日『「東京裁判」を読む』を読んだのでそれと比較してみる。 『「東京裁判を読む」』は近年公開された裁判の新資料をテクストとして書かれているのに対し、本書は(新資料についての言及もあるが)「今」という時代から東京裁判「そのもの」について書いているという違いがあるように思う。そのため本書には、B級戦犯の不条理な扱いや、靖国問題などについても言及されている。紛らわしいが、初学者はこっちがいいかも。

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