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文春新書
歴史のかげにグルメあり

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166606504
  • NDC分類 210.59
  • Cコード C0295

内容説明

旨い食事で接待すれば、それで政治も外交もうまくいく?ペリーの黒船以来、豪華な食事が歴史をつくってきた。胃袋と味覚の変遷でたどる、味わい濃厚な日本近代のフルコース。

目次

本膳料理に不満を抱いた米国海軍提督―マシュー・C.ペリー
最後の将軍によるフランス料理の饗宴―アーネスト・サトウ
天皇が初めてホストを務めた日―明治天皇(1)
ダンスと美食による鹿鳴館外交―井上馨
怪物的な政商と帝国ホテルの料理―大倉喜八郎
大津事件とロシア軍艦での午餐会―ニコライ皇太子
河豚の本場で開かれた日清講和会議―伊藤博文
旅順陥落のシャンパンシャワー―児玉源太郎
“食道楽”作家とロシア兵捕虜の交流―村井弦斎
ガーター勲章と宮中晩餐会―明治天皇(2)
稀代の食通だった“風流宰相”―西園寺公望
アナーキストたちの「菜食論」―幸徳秋水

著者等紹介

黒岩比佐子[クロイワヒサコ]
ノンフィクション・ライター。1958年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、PR会社勤務を経てフリーに。『「食道楽」の人 村井弦斎』(岩波書店)で、2004年度サントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

39
食に注目した歴史エッセイ。薀蓄の羅列に陥らず、色々考察しているのが良い。舞台は幕末から明治。まず維新前後、欧米料理の受け入れと欧米使節への饗応に幕閣や天皇がいかに気を使い、努力したかが語られる。鹿鳴館の功罪を女性目線で考察する件も興味深い。圧巻は大津事件で、襲撃されたロシア皇太子側、対してロシアの報復回避に必死な日本側、双方の雰囲気を食を通じて語る試みは克明で緊迫感がある。解決のカギとなる午餐会出席への天皇の決断や、ロシア皇太子の対応など初耳過ぎて驚いた。その他歴史上の人物を次々と料理していく。2018/06/07

ぶんこ

39
杏さんのエッセイから興味を持って読み始めたのですが、私には難しすぎました。 そう感じると同時に、この本を面白いと薦める杏さんの博識、好奇心の強さに改めて感心しました。 本当に日本の明治初期激動時代に興味津々なんだと実感しました。2015/03/19

penguin-blue

35
たとえば幕末、ペリーが来航した際、日本側はペリーをどうやってもてなしたか?じゃあ、徳川慶喜は?明治天皇は?当時の日本側の西洋料理に対する知識で、どの程度のもてなしができてたんだろう?鹿鳴館や、その時期の風俗の話は教科書にも出てくるけど、じゃあ明治の元勲たちはどんなものを食べてたの?意外と考えてなかったけど、考えだすと興味が尽きないそんな疑問(野次馬根性ともいう)に答えてくれる本。メニューをどの程度相手(国)の料理に寄せるかはその時の国家間の力関係や外交に関する考え方を映し出すので非常に興味深い。2022/02/09

Sakura

16
マシュー・ペリー、アーネスト・サトウ、明治天皇、井上馨、大倉喜八郎、ロシアのニコライ皇太子、伊藤博文、児玉源太郎、村井弦斎、西園寺公望、幸徳秋水、それぞれを軸に、食という観点から日本の近代史を振り返る。開国間もない頃の日本が必死に欧米を真似て用意した豪華なフルコースや、大津事件(ニコライ皇太子暗殺未遂事件)後の緊迫した日露の様子、旅順陥落後の祝賀会で児玉大将が浴びたと言われる三鞭酒(シャンペン)シャワー。近代史は少々弱いので、食と絡めた本作はとてもよかったです。2019/09/22

浅香山三郎

9
幕末から明治・大正まで12章11人の人物とそれにまつわる食を取り上げる。村井弦斎・堺利彦・国木田独歩といつた人々の評伝を書いた黒岩さんらしく、各章一つ一つの文章は短いながら、そのベースにかなりの資料を読み込んでゐることが分かる。下関条約の会談場となつた料亭と伊藤博文との結び付き、西園寺公望の美食家ぶり、幸徳秋水と菜食主義、などの話が特に面白かつた。しつかり調べて書かれてをり、読後感もよいといふ意味では、嵐山光三郎さんの『文人悪食』のシリーズにも通じる。2016/11/29

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