文春新書
食育のススメ

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  • サイズ 新書判/ページ数 291p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166606122
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0295

内容説明

明治の大ベストセラー小説『食道楽』で紹介された美食、食餌療法、食育、おもてなし等の数々。食育基本法がつくられる百年も前から「食育」を提唱し、推進した人の食の極意とは。

目次

第1章 「文明の生活をなさんものは文明の台所を要す」―春の巻(爆発的ベストセラーは美本で便利な付録つき;愛すべき登場人物たちの横顔に明治が映る;暴食・大食の戒め、肉食のすすめ;食品鑑定法、食合せ、食餌療法など、満載の実用情報;明治の難病だった脚気治療に貢献する)
第2章 「家庭料理の研究は夫婦和合の一妙薬」―夏の巻(男爵家の台所と豪華なおもてなし料理;離婚王国、明治日本の家庭料理;見ても美人、聞いても美人になる方法;洋の東西、美食の贅沢をめぐって;円満な結婚生活、家庭づくりの秘策)
第3章 「身体の発達も精神の発達も根源は食物にある」―秋の巻(結婚する男女に必要な「覚悟」とはなにか;料理人の腕比べと鰻料理についてのあれこれ;カレーのつくり方と、「実用」「無用」の区別;安い材料で美味しくつくる秘訣;智育よりも徳育より体育よりも大切な「食育」)
第4章 「何事にも程と加減を知ることが大事」―冬の巻(牛の臓物料理にも挑戦した旺盛な好奇心;「海老茶式部」と、賢い消費者になるための知恵;お米、パン、和洋の麺類についての愉しき薀蓄;高価な食材だった卵と薬膳の起源について;食べることは生きること)

著者等紹介

黒岩比佐子[クロイワヒサコ]
ノンフィクション・ライター。1958年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、PR会社勤務を経てフリーに。『「食道楽」の人 村井弦斎』(岩波書店)で、2004年度サントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もえたく

10
明治時代のベストセラーだった村井弦斎『食道楽』を日本初の食育小説と紹介した新書。明治末期には漱石と並び称されるくらいの作家だった弦斎は、晩年の断食、木食、天然食の実験等で現在は知られてない存在。それを著者が当時の時代背景や風俗等を丁寧に説明しながら、いかに先進的で画期的だったかを述べており、非常に興味深く読めました。著者の他の本も読みたくなりました。2016/04/14

浅香山三郎

7
黒岩さんの本は、『歴史の影にグルメあり』、『パンとペン』に続き3冊目か?本書に先立ち、『「食道楽」の人 村井弦斎』を書かれてをり、本来はそれを読んでから読むとよいのだらうが、『食道楽』のストーリーを追ひ乍ら明治人の食への感心を探る本書のみ読んでも、十分に面白い。料理のレシピや食材の効用、女子教育、台所の改良といつた広範な実用知識が『食道楽』の特徴であり、著者の言ふやうに現代とは全く新聞小説の位置付けも異なるのが興味深い。弦斎の食育を知ると、食育基本法の言ふそれが薄つぺらくも見へてくるやうに思ふ。2017/04/16

amabiko

2
とても面白かった。内容を正確に表現するタイトルをつけるなら「明治の食育小説『食道楽』のススメ」かな。この本を手にせずに、いきなり村井弦斎『食道楽』を読んだとしても、こんなに楽しめるものだろうか。『食道楽』のあらすじとそこに描かれる美食、レシピ、食の薀蓄などなどを丁寧な語り口で紹介。そして食以外にも、明治という時代を感じさせるエピソードの数々が、データや参考文献とともに示されている。メモ:明治時代の日本人の年間玉子消費量は平均13個!明治期のマカロニの呼び名は「孔明き饂飩《あなあきうどん》」。2014/01/05

fukura

1
一気読み。 「食道楽」の解説。 食育小説2020/07/15

Mayu

1
明治期に書かれた、村井弦斎の「食道楽」という本を紹介したテキストで、とてもわかりやすくて、面白く、「食道楽」もぜひ読んでみたいと思いました。現代でも普段はなかなか口に入らないような、本格的な西洋料理が紹介されていたり、「食」そのものの描写にも驚かされますが、それ以上に食べることから発展して家庭生活や、政治的なことまでに及ぶ哲学にとても感銘を受けました。現代人のいろいろな問題は、家庭を軽んじていることから起こっているように感じていましたが、明治で既にそのような考え方があったことがすごいな~と思いました。2013/07/22

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