• ポイントキャンペーン

文春新書
日露戦争 勝利のあとの誤算

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 318p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166604739
  • NDC分類 210.67
  • Cコード C0295

内容説明

ちょうど百年前、東京は初の戒厳令下にあった。ポーツマス講和に反対し、日露戦争続行を叫ぶ新聞はなぜ転向したか?権力とメディアの抗争から読み解く、この国百年の過ち。

目次

第1章 薄氷の勝利(小村寿太郎VS.ウィッテ。ポーツマスの攻防;講和条件をめぐる駆け引き ほか)
第2章 「帝都大騒擾」の二日間(日比谷公園の一触即発;三万人が気勢を上げた国民大会 ほか)
第3章 戒厳令下、政府VS.新聞(帝都初の戒厳令発動;白熱した枢密院会議 ほか)
第4章 凱旋と歓迎(英国艦隊来日、大歓迎の様相;小村寿太郎の帰国 ほか)
第5章 エピローグ―その後の池辺三山(池辺三山と二人の文豪;二葉亭の死、漱石の大患 ほか)

著者等紹介

黒岩比佐子[クロイワヒサコ]
ノンフィクション・ライター。1958年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、PR会社勤務を経てフリーに。『「食道楽」の人 村井弦斎』(岩波書店)で、04年度サントリー学芸賞を受賞。ブログ「古書の森日記」は毎日更新中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かおりんご

15
マスメディアに踊らされていたのは、この時代からだったのですね。人って恐ろしいと思ってしまいました。日露戦争の後は、すぐに太平洋戦争突入のイメージがあったけれど、どういう風に時代が移り変わって行ったのかが、この本から知ることができました。おもしろい視点です。2013/11/05

おらひらお

6
2005年初版。結構読み応えのある一冊でした。ただ、タイトルと中身がややあっていないような気もします。内容は日露戦争の講和に反対する日比谷焼打ち事件を中心に、マスコミと権力の関係やあり方についてまとめたものです。あと、本書によると著者は古本好きで、古本に関するブログも更新中とのことでした。さっそく確認してみたいと思います。2013/09/17

Hiro

2
簡単に斜め読みした程度なので本来は読了とは言えないだろう。あまり真剣に読めなかったのは、書名から期待させるものと違って内容が日比谷焼打事件とその後日談に絞られていて、日露戦争がその後の昭和20年の敗戦へとどう結びつくのかが詳しくは語られていなかったからだ。日露戦後の講和の頃の政界、言論界、そして一般国民の様子は確かに生き生きと描かれている。しかしその後日本社会が大正を挟みながらも好戦的で自由を封じる全体主義に傾いていったきっかけは十分に論じられていないと思う。世論や社会がそう動いたというだけでは足りない。2023/02/23

aeg55

2
勝利の後…主に日比谷焼き討ち事件前後の話である。文章は平易で読みやすい書となっている。現代の自民党政権の政治家が自分たちの失態に対する指摘や批判に対し「庶民はすぐ忘れる」とよく言い放っているが、この日露戦争後の政府に対する批判が、様々なイベントを行っていく過程で消えて行ってしまった事例を成功事例としているのか、と思わせる。しかし、戦争を止めるという講和条約に対し、批判を繰り返した、新聞はじめとする世論というものが、1945の焼け野原へのスタートだったとも考えられる。2023/01/20

shun

2
煽る新聞社、企む政治家、暴れる民衆、斬りかかる警察。講和反対に端を発する一連の大騒動は、大衆にいかに浅慮で煽られやすく無鉄砲な者が多いかを示している。その時々で周りに迎合する姿はあまりにもみっともない。今はどうだろうか、と考えるとちょっと心許ない気がする。新聞社や政治家、警察の姿勢もなんだかそのころと大して変わってないように思えてならない。心が荒みそうだ。2014/01/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/541088
  • ご注意事項