文春新書
癒しの楽器 パイプオルガンと政治

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166602988
  • NDC分類 318.2
  • Cコード C0273

内容説明

バブル期、多くの地方自治体がパイプオルガンを導入した。いま、その多くは「宝の持ち腐れ」である。特権的な一部の演奏家しか利用できなかったり、故障だらけで法外なメンテナンス費用が毎年かかったり、税金で買ったことを十分に認識していないとしか思えないケースがたくさんある。そして、オルガンの機種選定や音楽ホールの運営委託に於いても、国立大学教員などによる不明朗な動きが数々見られる。クラシック音楽の世界も腐敗と無縁ではないのだ。

目次

第1章 なぜパイプオルガンなのか
第2章 どこにオルガンはあるのか
第3章 パイプオルガンという楽器
第4章 こうしてオルガンは導入された
第5章 市民はオルガンに触れるか
第6章 オルガンは誰のものか
第7章 誰がオルガンを選ぶのか
第8章 なぜガルニエが選ばれるのか
終章 オルガンから政治が見えたか

著者等紹介

草野厚[クサノアツシ]
1947年、東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。商社勤務のあと、上智大学大学院修士課程、東京大学大学院博士課程修了。東京工業大学助教授などを経て、現在、慶応大学総合政策学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨータン

11
私の地元でも昔田んぼしかないところにパイプオルガン設置のホールが建てられて、一体誰がそんな高尚な音楽を聴きに行くんだ!と騒がれたのを思い出しました。市長や町長がクラシックファンだから、公費で市民が望まないのに文化的な市や町にするためという理由で設置。税金の無駄遣いと言われてもしかたないですよね。2021/06/17

B.J.

6
●80年代までは、オルガンは教会・音大・民間ホールに圧倒的に多く導入されているのに対し、公共ホールでは、90年代に集中して導入。50ストップ以上(大型)で整理すると、この傾向はもっとはっきりする。 ●白石市文化体育活動センター=97年5月5段の鍵盤・115ストップ・3.9秒の残響(日本最長)。農業人口が市の人口の四分の一を占めるこの地に日本一のオルガンが誕生したか?ウィーンに憧れた市長。人口4万2千、一般会計予算141億に7千万の予算は、破格の規模。明らかに、白石市の運営効率は悪い。・・・本文より2020/02/25

moonanddai

2
「スタインウェイン戦争」に触発されて…。/確かに「芸術」と「政治」は別物なのでしょうが、「芸術界」に「政治」は存在する。「日展」もしかり…。やはり「公金」の使われ方は、われわれも充分関心を持っていかなければならないのでしょう。「よくある話」として終わらせてはならないと思います。2013/11/28

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