文春新書
ウィーン・フィル 音と響きの秘密

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  • サイズ 新書判/ページ数 276p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166602797
  • NDC分類 764.3
  • Cコード C0273

内容説明

一六〇年にわたる時代の試練を乗り越えて造り上げられたウィーン・フィルの黄金の響き―マーラー、フルトヴェングラーなど、幾多の指揮者たちとの“音の戦い”によって鍛えられたこの音色は、小沢征爾のウィーン国立歌劇場音楽監督就任によって、その歴史に新たな一頁が付け加えられようとしている。東と西の音楽の出会いは、どのような音と響きを生み出すのか。いまクラシック音楽の故郷の一つウィーンで、新たなドラマが始まろうとしている。

目次

第1章 書かれた楽譜の裏にあるもの
第2章 フルトヴェングラーの指揮棒
第3章 カール・ベームその光と翳
第4章 カラヤン神話
第5章 小沢征爾登場の意味するもの
第6章 ウィーン・フィルの誕生
第7章 動乱の時代を生き抜く
第8章 黄金の響きを追って
第9章 室内楽は音の対話
第10章 ウィーン・フィル最後の秘密

著者等紹介

中野雄[ナカノタケシ]
1931年、長野県松本市生まれ。東京大学法学部卒業。日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)を経てオーディオ・メーカーのケンウッド役員に就任、レコード事業・音響機器生産等を担当した。昭和音楽大学・津田塾大学講師を歴任。現在、音楽プロデューサーとして内外で活躍する傍ら、映像企業アマナ等の役員も務めている。LP・CDの制作で「ウィーン・モーツァルト協会賞」、「文化庁芸術作品賞」など受賞多数
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

328
タイトルに掲げるウィーン・フィルの音と響きの秘密が明らかになったとは思えないが、様々な角度からウィーン・フィルに焦点を当てることで、音楽の持つ本質的な一面を語りえていると言えるだろう。個々のエピソードもきわめて興味深い。ことにフルトヴェングラー、トスカニーニ、クナッパーツブッシュのそれらは(初めてではないにもかかわらず)聞くたびに納得もし、音楽演奏史に思いを馳せることになる。演奏が画一化したことは極めて残念だが、過去の名演をCDで聴くことのできる我々の時代は、果たして幸福なのか否か、何とも微妙なところだ。2018/01/05

がっち

6
読み物として読んだが、ウィーンフィルの音楽への思いに感嘆である。今私もまた音楽をしているが、音楽作りの指針になる良書である。私たちは音を合わせていると勘違いしやすいが、気持ちを合わせる大切さがよく分かる。もちろん、ウィーンフィルは音楽家として優れているが、協調性をすごく大事していることが分かる。 なかでも音楽的にひしひしと自分たちも彼らと同じようにはいかないが心得なければならないと感嘆したのは「一つ一つの音、一つ一つの響きにこめられた音楽的情報の量と質」を大切にするべきであるということである。これは当た2010/07/08

しんしん

5
音楽について知りたいなと思って、いくつかのCDを聞きながら読んだ。 前半ではウィーン・フィルの何人かの指揮者の物語や音楽性を述べて、後半では楽譜通り正確にということだけが求められる現状と「響き」というものの大切さが語られる。 一つ一つの音や響きにどれだけの思いが詰まっているかそのうちわかるようになりたい。2016/02/12

ひろみ

4
普段イヤフォンを使っていることもあって古い録音はほぼ聴かないのですが、、フルトヴェングラー×ベルリンフィルの1943年ベト7を衝動買い。今後普段聴かないアメリカのオケも含めて色んな演奏を聴きたい。そして、2015年と2016年のウィーンフィル来日公演で音色がガラッと変わってしまったと感じたのは、やはりキュッヒルさん不在となったからなのかしら…と改めて残念に思いました。2017/02/24

とす

3
読むのになかなか時間がかかったけれど、とても面白かった。オススメしたい。タイトルにウィーン・フィルと入っているので、ウィーン・フィルが中心だが、ベルリン・シカゴの話も多くあった。名前だけを知っていたカラヤン、フルトヴェングラー、小澤征爾あたりの話が個人的にとても面白かった。一般的な考えだから仕方ないけれど、アメリカの音楽を低く見る言葉が多くあったのはうーん、という気持ち。ほとんど全てが日本にも言えてしまうのでなんだか嫌だった。ウィーン・フィルのチケットが当日でもとれるようになったら…のくだりが心に残った。2014/10/04

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