文春新書<br> 英国大蔵省から見た日本

文春新書
英国大蔵省から見た日本

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 214p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166602261
  • NDC分類 312.33
  • Cコード C0295

内容説明

「日本の公務員の実力を思う存分、見せつけてこよう!」日本財務省と英国大蔵省の若手職員交換制度の第一期生に選ばれ、志を抱いて単身英国に渡った著者。名刺はない、昼食はとらない、ネクタイはしない…。習慣の違いから、政治・経済・思想の違いまで、赴任初日から戸惑いつつも見えてきた、日本の欠点と美点。外国を「研究」はしても「学ぶ」ことは考えない英国と、無闇に欧米の真似ばかりしたがる日本。真の「改革」へ向けて一体何が必要なのか。

目次

第1章 革命的思考に陥った日本(革命的思考とその問題点;金融ビッグバンに見る日英の考え方の違い;コモンロー的思考―「進化する保守の国」英国 ほか)
第2章 外国信仰に陥った日本―外国はそんなに素晴らしいか(「外国人を特別扱いしない」英国;欧米絶対信仰の日本;英国が外国を見る目 ほか)
第3章 制度信仰に陥った日本―三権分立、「政対官」を考える(政治・行政における制度信仰;英国の政治を考える際の五つのキーワード、日本へのヒント;「官」の位置―曖昧な「政対官」という命題 ほか)

著者等紹介

木原誠二[キハラセイジ]
1970年東京生まれ。東京大学法学部卒業。大蔵省(現・財務省)に入省。1996年から1998年までロンドン大学LSE校及びロンドン大学高等法律研究院で学び、修士課程修了後、博士課程に進む。1999年に英国大蔵省に派遣され、2001年に帰国。現在、財務省大臣官房に勤務
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちくわん

22
2002年2月の本。著者は現職の衆議院議員(東京20区)。はじめて出馬する前に出版。保守党のサッチャー、メージャーから労働党のブレアへ変わる頃を取り上げている。まさにその後、日本が歩んだ道。本書では英国と日本の差として「独自性の発揮」をあげ、ノーベル賞受賞者の数を尺度とした。本書の時点で英国は60人以上、2020年現在133人。物理学賞にはトムソン、ディラック、ペンローズ。他も満遍なくいる。ちょっと古い話ではあるが、なるほどではあった。こういう方もいると思うと心強い。ただし誤字はやはり気になった。2021/11/14

masabi

12
英国大蔵省に勤務した経験を持つ官僚の日英制度比較論。理念のもとに試行錯誤を繰り返し、ゆっくりながらも確実な変化を遂げる英国。それに対し、グランドデザインを掲げながらも些末な点に拘り結局は挫折する日本。人間は完璧ではなく失敗することもあるのだから、失敗を糧にする。役人と政治家の関係もまた異なる。政治家と官僚が良くも悪くもべったりしている日本に対し、英国では一般政治家と役人の接触が禁じられるなど、議会制民主主義、首相と共通の制度であっても、その中身は変わったものになっている。2015/07/25

しんこい

8
日本のことを対比ひして描くというより、英国の政治体制や官僚について知らない事ばかり。英国首相は三権分立でなく民主的独裁者ですらある、なんて聞くと日本で大統領制を導入するより必要もなかろうと思いますし、官僚は国民のしもべでなく、大臣に忠誠を尽くすなんてことも全く知りませんでした。名前が同じでも実態は国により色々です。2014/10/29

Naota_t

3
★3.5/日本と英国の文化の違いを知るだけでも新鮮で、読み物としても十分に楽しめた。日本では役所間の関係が「権限」の問題として処理される一方で、英国では「責任」「責務」と処理されるなど、著者の経験に基づく日本・英国間の違いが頻出する。日本の財務省などの体制の不備などが素直に認められており好感が持てる内容だ。また、英国が大麻大国だとは驚きだった。–––コモンローの精神こそが英国の体質である。[…]英国の本質は、耐えることなく試行錯誤を繰り返して「進化」していく、「永久進化」の中に見出すことができる。p482022/09/19

Humbaba

3
日本にいると,そこで行われていることは当然の物のように感じる.しかし,日本を離れると日本の良さと悪さの両方を強く感じられるようになる.外国を研究して,自分たちの現状に晏嬰させることは意味があるが,それはただ真似るだけでは達成できない.2011/06/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/169510
  • ご注意事項