文春新書
わたし、ガンです ある精神科医の耐病記

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  • サイズ 新書判/ページ数 198p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166601646
  • NDC分類 494.5
  • Cコード C0247

内容説明

精神科医にして新聞の人生相談で人気の著者が、五十二歳で直腸ガンになった体験記。初期症状から検査・手術・抗ガン剤治療などを詳細にレポートし、そこで見えてきた諸相を本音で分析する。病院は医者のためにある、手術は必要悪、インフォームド・コンセントの功罪、民間療法や健康法の意味、予防の限界などをドライに見つめた最後に、近づく死を覚悟したときの精神世界を描く。

目次

1 ことのおこり
2 退院して
3 医療する側・される側
4 ガンをめぐって
5 治るのか治らないのか
6 寸詰まりの余生

著者等紹介

頼藤和寛[ヨリフジカズヒロ]
1947年大阪市生まれ。大阪大学医学部卒業。麻酔科、外科を経て精神科へ。浅香山病院、大阪大学病院勤務の後、大阪府中央児童相談所主幹。’97年より神戸女学院大学人間科学部教授。産経新聞の連載「人生応援団」の回答者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

里季

61
著者は外科にもいたことがある精神科医。52歳の時に直腸がんを患い、その折に考えた死生観や医療や医師・患者双方の立場からの意見などを書き連ねている。現役医師が突然患者側になった戸惑いが医療機関と患者側の間を行ったり来たりしていてよくわかる。が、もう一歩突っ込んでほしかった。やはり現役医師それも50歳を超えて相当の地位を築いている医師にはちょいと声をかければ同僚や友人に意見を求めることもできるし、病院側の扱いも一般の患者のそれとは違うような気がする。はっきり言ってはまずいこともあったのだろうがもどかしかった。2016/01/21

おおにし

7
著者の頼藤さんはこの本の完成直後に53歳で亡くなられている。死を目前にした人がよくこれだけ落ち着いた文章が書けたものだと感動。余命いくばくもなくなったとき、自分自身は一体どんなことを考えているのだろうかと、そんなことを想像しながら読み終えました。2012/11/10

kenitirokikuti

6
01年刊行の文春新書。以前にわたしがこれを読んだのはいつだったか…。少なくとも、わたしの友人がガンで入院したのは本書刊行後だ。この頼藤医師は本書の出版後、一年ほどで再発して亡くなっている。きのう買った内田春菊氏の直腸ガン経験記と比較してみようという意図で再度手にとったのだけど、本書では手術プロセスは最初の50ページで終わっている。20年近く前なので、今より混んでないせいもありそうだ。わたくしごとだが、わたしの母が今度白内障の手術を受けるのだけど、オペまで2〜3ヶ月待ちだそうである。2018/01/09

Ted

2
'01年4月刊。◎他人と代替がきく外的ルーチンで忙しがる自分を充実した生だと錯覚しているといつしか自分を見失ったままあの世へ旅立つことになる。「メメント・モリ(常に死を思え)」ということは忘れがちだし、決して愉快なことではないが、いつか死が訪れるという真実から目を逸らさず、自分の内的満足が得られることから優先して時間を使うようすれば、突然不治の病に侵されてもある程度は諦めがつくかもしれない。元々無から生まれた者がまた無に帰るだけのこと。いつ死が訪れても構わないという諦念を持てば生き方も自ずから変ってくる。2014/07/05

FK

1
 長らく埃をかぶっていた本。古い本は処分していこうと手にしたのだが、手放せない本となった。元の書架に戻すことに。それでも読み始めた頃は、なんともしんどくて捗らなかったのだ。  ほぼ確実な目前の死を意識しながらの氏の文章には、迫真性がある。医師ではない人には表現できない貴重さ・稀少性がこの本にはあるだろう。将来的にもし私がガンを宣告されたなら、その時にはもう一度この本を手にしたい。2016/06/08

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