文春新書
あえて英語公用語論

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  • サイズ 新書判/ページ数 243p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166601226
  • NDC分類 830.4
  • Cコード C0282

内容説明

英語の専門家でもない私が、英語の本を書くことにしたのにはそれなりの訳があります。それは、英語を単に英語教育や英語行政の問題としてのみ捉えてはならない。それを、日本の世界との関係、少し大げさに言えば、日本の戦略の問題として考える必要がある、と思ったからです。しかし、その議論はまだまだ不十分です。なぜなら、英語論、英語公用語論は、なぜ提起されなければならないのか、またそれはどのような現状認識に基づき、どのような問題意識を踏まえたものなのか、を明確にしないまま議論が先行しているからだと思います。この本は、そうした議論の一助にしたいと考え、書いたものです。

目次

第1章 クレイジー・イングリッシュ―英語とグローバリゼーション
第2章 イングリッシュ・ディバイド―英語と米国支配
第3章 バイリンガル―英語と二言語主義
第4章 イングリッシュ・プラス―英語と多言語主義
第5章 英語公用語論 戦略―日本の何が問われているのか
第6章 英語公用語論 提案―どこから始めるか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Riopapa

7
15年前の出版だが、日本人の英語状況はあまり変わっていない。ただ英語教育については、次々と新たな政策が打ち出されてきている。英語教員は大変。2015/09/22

Nobu A

6
2000年初版、10年第3刷。英語公用語論や早期英語教育導入反対論を多数読んで思うこと。賛成派は政治やビジネス面、反対派は教育や文化面から。通読して改めて面白そうだなと思う反面、やはり国策ではない。様々な利点と欠点を挙げて興味深いが、同時に都合の良い解釈も散見。例えば、日本語が堪能なエドウィン・ライシャワーの「言語的孤立」と「知的孤立」の訴えを出しながら駐日米国大使在任中、通訳を必ず付けていたことには触れず。他方、フランスが日本より英語学習時間が長いのには驚いた。このような大事な点を深掘りして欲しかった。2021/11/23

kan

2
2000年の旧著だがグローバルなインターネット全盛時代の今でも孤立する日本に警鐘となる提言。2013/10/15

ひろしセンター

2
グローバリゼーションと情報化のなかで求められる英語の重要性を説いている。母国語以外の言語を習得することで、思考に際して異なる二つの軸が形成されて、思考の幅が広がり、客観視できるようになる、というのがおもしろかった。英語イマージョンのほうが通常クラスより国語の点数が高いというデータには驚いた。ただ、アメリカの覇権が崩れつつある今、英語公用論は10年前の出版当時と同様にとらえていい問題ではないように思う。それとも、数と既存のネットワークに支えられアメリカの覇権に関わらず英語の地位はまだ続いていくのだろうか。2011/11/13

Naota_t

1
★3.3 英語公用語導入の理由は、グローバリズムがその一つだが、他にも日本の言語政策の確立という観点もある。「喋ることを蔑視する感覚」「議論から逃げようという姿勢」を排除し、未知の人や異文化とのコミュニケーションを積極的に促す、という意味だ。2000年上梓の当時よりも世界のフラット化は圧倒的に進んでおり、私も今の会社では英語に非常に苦戦している。そういった側面以外にも、島国日本は、世界に目を向けるという意味でも英語公用語は有効だ。また、国会議員の英語能力開示は私も実施すべきだし、いい切り口だと思う。2020/02/15

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