出版社内容情報
紀元前三世紀、秦帝国が滅びた後広大な中国を舞台にして覇を競う項羽と劉邦。漢帝国の成立までをさまざまな人間模様を織り込んで描いた手に汗にぎる雄大なロマン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケン
1
項羽と劉邦。まさに未知の世界です。本人達は無論まわりの人達も合わせて書かれた人間模様、さらに時代背景の説明も豊富で、さすがの司馬遼太郎です。中国史と言えども知識が豊富でした。2024/02/18
きー坊
1
司馬遼太郎全集第46巻「項羽と劉邦2」も合わせて読破。非常に濃密な歴史小説だった。秦の始皇帝による圧政から『項羽』と『劉邦』という二人の英雄が生まれ、刃を交えていく軌跡。現在の日本における典型的な項羽像、劉邦像というのはこの司馬遼太郎によって生み出されたと言われている。様々な人物の生きざま~最期までを描いており、物語を多層的に楽しむことができる。自分自身と重なることところもあり、個人的には項梁が好き。2015/12/21
アンディ・ワイス
0
司馬氏は主人公の目ではストーリーを語らない。あくまで客観的な傍観者の立場で書いているので小説的雰囲気がない。客観的な歴史書を読んでいる気にさせられる。それにしても司馬氏は中国の言語、歴史、地理に関する驚くほどの素養を持っている。もうこのような書き手は現れないのではないか。2023/09/17