芥川賞全集 〈第6巻〉

芥川賞全集 〈第6巻〉

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  • サイズ B6判/ページ数 539p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784165071600
  • NDC分類 913.68

出版社内容情報

自己とは何かを鋭く凝視する斬波四郎の「山塔」、極限状況下ナチスの精神病者対策を追究した北杜夫の「夜と霧の隅で」、現代のメルヘン三浦哲郎の「忍ぶ川」等名作八篇

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

79
斯波四郎「山塔」、北杜夫「夜と霧の隅で」、三浦哲郎「忍ぶ川」、宇能鴻一郎「鯨神」、川村晃「美談の出発」、後藤紀一「少年の橋」、河野多惠子「蟹」、田辺聖子「感傷旅行センチメンタル・ジャーニィ」。激変する時代を反映し、過去を問うものから未来を拓くものへ。2014/10/27

unknown

5
宇能鴻一郎『鯨神』を目当てに。圧倒的存在として畏怖される一匹の巨鯨<鯨神>と、鯨神によって親兄弟を失った若者 シャキが繰り広げる壮絶なる海の闘いを荒々しくもエネルギッシュに描き出した一編。死闘の果て、片手片足を失う致命傷を負い死を間近に控えたシャキが、先に逝った鯨神と一体となり、雄大なる生命賛歌を謳う幻想を見る終盤、そしてその後、シャキと鯨神が互いに「お前らは、実にすばらしか奴らじゃ」と賞賛の一言を交すラストシーンは、畏怖、復讐、種、様々なものを超越した域での交感である。尊く、そして熱く胸に迫る。2012/10/17

sashawakakasu

3
読みやすいけど、ようわからん。2022/05/19

ケンサン

1
田辺聖子「感傷旅行」関西の放送台本作家の情事と歪んだ姿/河野多恵子「蟹」転地療養中の女が預かった子供と蟹探しをする心理の陰影/宇能鴻一郎「鯨神」漁村の鯨捕りの伝説、民話、英雄譚。/斯波四郎「山塔」人間の執念の悲しさや憤ろしさ/三浦哲郎「忍ぶ川」甘美な恋愛小説、筆致が清澄で、事物がわかりやすい/川村晃「美談の出発」挫折した魂のいたましさ/後藤紀一「少年の橋」少年の孤独な気持ちと、両親に対する愛憎の揺れ/北杜夫「夜と霧の隅で」戦時の精神病院で患者の治癒に懸命の医師…其々選考員のコメント、苦悩が悩ましい…2022/07/23

YY

1
少年の目線が痛々しくも楽しい「少年の橋」、ヒロシと森の軽薄さ、それでいて何か本質的な人間的つながりを感じさせる「感傷旅行」が特によかった。北杜夫は初めて読んだが、意外な暗さだった。悲劇なんだけど、自殺させちゃあねえ。2015/05/29

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