出版社内容情報
ソ連崩壊前夜、東洋新聞記者の土井垣は「特ダネ禁止」のなか、果敢に取材していく。元新聞記者だから書けたサスペンス長編小説。
内容説明
チェルノブイリ原発事故から1年―1987年(昭和62年)4月、東洋新聞の記者・土井垣侑が特派員としてモスクワに降り立った。当時のソビエト連邦はペレストロイカ政策が進められていたが、記者はソ連政府の管理下でしか取材をすることができず、しかも本社からは当局を刺激しないよう「特ダネ禁止」を言い渡されていた。そんな状況に不満を抱いた土井垣は、独自ネタを拾おうと精力的に街へ繰り出す。だが、ソ連政府は一記者にまで監視の目を光らせていて…。
著者等紹介
本城雅人[ホンジョウマサト]
1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学経済学部卒業後、スポーツ紙記者としてプロ野球、競馬、メジャーリーグ取材などに携わる。退職後、松本清張賞候補作の『ノーバディノウズ』で2009年に作家デビュー。同作でサムライジャパン野球文学賞の大賞を受賞。17年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
96
ソビエト連邦崩壊の過程を、モスクワで特派員として勤務していた記者の目で描いた物語。日本では昭和が終わりを告げようとしていた頃、東洋新聞の記者、土井垣が特派員としてモスクワに降り立った。当時のソ連はゴルバチョフが改革開放路線を進めていた。そんな中で東側の社会主義に変化が起き始めていた。これらの事実は報道により伝えられていたが、当地のジャーナリストの立場で描いているところが、興味深い。ベルリンの壁崩壊からソ連解体。あれから時間が過ぎ、平成が終わろうとしている。隔世の感を抱きながら、当時を懐かしんだ。2019/04/14
ダイ@2019.11.2~一時休止
88
ソ連崩壊直前の特派員の物語。フィクションとありますが、ほぼノンフィクションのように感じる歴史もの?。2019/04/19
ゆみねこ
75
ソ連崩壊のその時、新聞社の特派員・土居垣はモスクワにいた。一筋縄では行かないソ連での取材活動。ウォッカを飲みながら相手の腹を探る。まるでノンフィクションのような読み心地で面白かった。2019/05/03
ナミのママ
63
本城雅人さんの記者モノ、大ファンです!とはいえ、サラッと流し読みできる内容ではありません。1987年4月、特派員としてモスクワに降り立った東洋新聞記者の土井垣。彼の取材に走り回る姿を追いながら、当時のソ連の政治、生活を知りました。政治や背景に関しては忘れていたことや、うろ覚えだった事もあり、調べながら読みました。それにしても面白いです。ノンフィクションかと思いながら楽しみました。2019/05/12
yomineko@猫と共に生きる
53
マイ読のゆみねこさんからのご紹介です。「この話はフィクションです」とラストに書いてあって衝撃。ノンフィクションと言っていいほどです。ソ連からロシアへ移り変わる様子が書かれています。ソ連の事を知らないと分かりにくいかもしれませんが、とっても良かったです!ゆみねこさん有難うございました!2019/07/04