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壁の男

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163905525
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

小さな町の家々の壁に、ひたすら壁画を描き続ける男。笑われても笑われても理由を語らぬその沈黙の裏には、ある哀切に満ちた理由が。ある北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。

その、決して上手ではないが、鮮やかで力強い絵を描き続けている寡黙な男、

伊苅(いかり)に、ノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが……。

彼はなぜ、笑われても笑われても、絵を描き続けるのか?



寂れかけた地方の集落を舞台に、孤独な男の半生と隠された真実が、

抑制された硬質な語り口で、伏せたカードをめくるように明らかにされていく。

ラストには、言いようのない衝撃と感動が待ち受ける傑作長篇。

貫井 徳郎[ヌクイ トクロウ]

内容説明

ある北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。その、決して上手ではないが、鮮やかで力強い絵を描き続けている寡黙な男、伊苅(いかり)に、ノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが…。寂れかけた地方の集落を舞台に、孤独な男の半生と隠された真実が、抑制された硬質な語り口で、伏せたカードをめくるように明らかにされていく。ラストには、言いようのない衝撃と感動が待ち受ける傑作長篇。

著者等紹介

貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
昭和43(1968)年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。平成5(1993)年に第4回鮎川哲也賞の最終候補作となった「慟哭」で作家デビュー。22(2010)年に『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞を、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

542
見るからに面白みのないタイトルにおじけづいて(笑)、早々と手に入れていたのに、今日までほったらかしていた自分を責めてやりたい。これはまさに、殺人事件のない良質のミステリー。3歳の女の子の闘病シーンは、ひとの親ならずとも歯を食いしばり、自らの拳を握りしめることだろう。好むと好まざるとにかかわらず、胸をギュッと鷲掴みにされる。2019/03/17

starbro

464
貫井徳郎は、新作中心に読んでいる作家です。本作は、著者のいつものミステリではなく、広義のラブ・ストーリーでした。テイストとしては天童荒太の直木賞受賞作『悼む人』に近いものを感じました。特に第二章には、癌経験者ということもあり、泣かされました。私の壁の絵のイメージは、ジョアン・ミロでしたが、皆様はいかがでしたでしょうか?今年のBEST20候補、貫井徳郎のここ数年のMyBESTです。本作で直木賞受賞でも良いかも知れません。2016/11/25

サム・ミイラ

395
人が生きてゆく事はとてもとても大変な事です。楽しい事も悲しい事も時に信じられぬほど残酷な事も起こります。人はそれでもその理不尽さを受け入れ悲しみを胸にしまい生きてゆく。平凡で普通に見える人達も実はその人にしか分からない壮絶な思いをしてきたのだと理解出来るようになりました。人は微笑み耐える。そして彼は壁に絵を描き続ける。喜びも悲しみも一身に背負って。私はこの本から「それでも生きる力」を貰いました。それが残された者の使命であるなら。私も心の絵を描き続けていきます。2018/02/09

しんたろー

358
まず始めに、貫井さんの新境地と言える・・・「彼はなぜ、絵を描き続けたのか?」と いう帯文の通りの謎がミステリ要素だが、これまでは随所に描かれていた「人心の 闇」は希薄で、情愛に溢れた男の半生に惹き込まれる。一見は凡庸そうな中年男 のとても切ない人生に同化するように共感してしまう。また構成が見事なのも職人 技のようで唸らされた。心理描写の上手さと飽きさせない展開で、余韻が消えない 終わり方にも拍手!小児を育てている人はハンカチが手離せない筈なので外出時 は要注意だと思うし、今年のマイベスト10候補の一作だ。2017/03/24

NADIA

310
栃木県に、最近静かな話題になっている多くの個人宅の外壁に絵が描かれている町がある。芸術性が高い絵ならばともかく、稚拙と言った方が妥当なこのような絵をわざわざ自宅の外壁に書かせている理由は?? 一人のノンフィクションライターがこの現象の謎を突き止めるために取材に向かう。絵を描いている男の過去が少しずつ明らかになり、終盤ではこの男の人生に引き込まれ、絵の巧拙など問題ではないと思わされる。私もこの町に行き、その独特の雰囲気に浸ってみたい。2017/07/18

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