出版社内容情報
ロシア語通訳、名エッセイストだった姉を、「食べるためにこそ生きる」血を分かちあった妹が、食べものを通して思い出を綴る回想録。プラハでのソビエト学校時代を共に過ごし、最後まで近くで看取った妹、井上ユリ氏(故・井上ひさし夫人)が綴る、姉・米原万里の思い出。
ロシア語通訳であり、その体験を生かして綴ったエッセイやノンフィクションで読売文学賞、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した米原万里氏は、食べることが大好きだった。その食べる速度の速さも量も、実は父親ゆずり。米原家の血なのか!?
プラハの小学校時代、レーニンの映画を観ては一緒にじゃがいもと卵をゆでて貪り、のちに椎名誠を読んでは時間差でカツ丼を食べに走り、姉・万里の思い出はいつも食べ物と分かちがたく結びついている。プラハの黒パン、ソーセージ、鶏卵素麺、チェコの森のキノコ、父の味・母の味、「旅行者の朝食」や「ハルヴァ(トルコ蜜飴)」など、食をめぐる名エッセイの舞台裏を明かす、米原ファン垂涎の一冊。2016年5月で没後10年となる米原万里の著作を振り返りつつ、新たなエピソードを紹介するユニークな回想録。
家族の蔵出し写真も多数収録。
井上ユリ[イノウエ ユリ]
内容説明
妹によって初めて明かされる姉の素顔、名エッセイの舞台裏秘蔵写真、多数掲載。
目次
卵が大好き
米原家の大食い伝説
プラハの黒パン
クネードリキ
ソビエト学校のキャンプ
赤いエリートの避暑地
父の料理、母の料理
大好きな写真
米原万里が詩人だったころ
職業は「踊り子」
きれいな一重まぶた
飲まない万里のまっ茶な真実
毛深い家族
わたしは料理の道へ
いつも本を読んでいた
「旅行者の朝食」
著者等紹介
井上ユリ[イノウエユリ]
1953年、東京生まれ。小学校時代のほとんどを、在プラハ・ソビエト学校で学ぶ。北海道大学卒業後、高校の理科の講師を経て、大阪あべの辻調理師学校入学。卒業後、同校勤務。81年からベニスなど北イタリアのレストランで研修。帰国後は自宅でイタリア料理教室を開く。87年、井上ひさしと結婚(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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