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心はすべて数学である

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  • サイズ B6判/ページ数 218p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163903798
  • NDC分類 410.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

私の脳が私の心を生むのではなく、他者の心が私の脳を通じて心となる。心に潜む数学的真理に迫った、孤高の数学者による思索の書。

ゲーデルの不完全性定理、無限との格闘、超越的なカオスの存在……。
心とは何かを解明するヒントは、数学の「不可能問題」へのアプローチにある。
解を導くのが不可能な問題を前に、科学はどのように立ち向かったか。
古今東西の数学者たちの試みに触れながら、
脳科学だけでは解明できない心の謎に数学的思考で挑む。

記憶や思考、推論といった心の働きに潜む数学的真理を説きつつ
「心」とは何かに迫った、孤高の数学者(カオス、複雑系)による思索の書。

内容説明

ゲーデルの不完全性定理、無限との格闘、超越的なカオスの存在…。心とは何かを解明するヒントは「不可能問題」へのアプローチにある。解を導くのが不可能な問題を前に、科学はどのように立ち向かったか。古今東西の数学者たちの試みに触れながら、脳科学だけでは解明できない心の謎に、数学的思考で挑む。

目次

第1章 数学は心である
第2章 心が脳を表現する
第3章 複雑系としての脳
第4章 カオスの超越性と心
第5章 心は数式で書けるのか
第6章 記憶と時間と推論

著者等紹介

津田一郎[ツダイチロウ]
1953年、岡山県生まれ。数理科学者。専門は応用数学、計算論的神経科学、複雑系科学。大阪大学理学部物理学科卒業。京都大学大学院理学研究科物理学第一専攻博士課程修了。理学博士。現在、北海道大学大学院理学研究院数学部門教授。「科学する精神」と「近代を超えること」を実践するために、最適の場として脳の解明を選んだ数学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

52
私の心は他者ではないけれども他者の集合体として発展してきたという側面もある。するとそこには「共通普遍項」があるのではないか、それを数学で表現できるのではないかという考えから脳科学やカオス、無限など多岐にわたってる語っていて、興味深い。理解するために分解していった後で全体がわかるという従来の手法には限界があるという主張には頷けるものがある。ファクトよりコンセプト重視という考え方の一端に触れることができてよかった。2022/12/10

壱萬弐仟縁

37
感覚は具体的、感性は抽象的(24頁~)。脳とは集合的な心と個々の心に落としこむための生物学的な器官である(55頁)。生命とは作りながら理解するところがある。複雑系は作ることが重要(102頁)。脳は現象的に周りの環境の持っている情報構造を取り込んで脳の中に再構築している(141頁)。感性は開かれた共有可能なもの。思考や推論は人によって異なる心の働き(150頁)。てんかん:あるところで神経細胞が異常に発火するために、周りの神経細胞と同期を起して、脳全体が集団同期してしまう。結果、意識を失う(183頁)。2016/06/20

シタン

27
脳と心の関係については古来より様々な説がある。プラトンやデカルトがとった二元論は脳と心は別物であるとし、エピキュロスなどがとった一元論は一方を他方に還元できるとする。さて、近代科学を発達させた唯物論的・還元主義的発想では「心を脳に還元させる」一元論が主流といえそうであるが、著者はその逆を主張する。逆というのは二元論というのではなく、「脳を心に還元させる」。そして心は数学であるという。 カオス、海馬、記憶等の研究を紹介しながら一般向けにこの主張を論じた本。「動物はカオスが生まれているときのみ記憶をしている」2020/06/21

りょうみや

23
数年ぶりに再読。脳の神経回路網からカオスが観測されて、それが心の働きに重要な役割を果たしているという著者の従来の主張は昔感銘を受けた。本書は、それだけではなく数学の証明、数学をすることは論理的よりもむしろ感性的、個性的で心そのものであるし、数学が様々な現象を表現して社会とつながって成り立っているところも心のようだという。これらは考えとしてはおもしろいが、「心はすべて数学」というのはやはり無理があると思える。2020/12/07

evifrei

17
カオスの研究から脳科学の研究へと進んだ著者による、数学・哲学・脳という様々な分野を横断的に叙述した一冊。メインはやはり数学的心像と脳感的数学の架橋なのだろうが、数学の証明とは心の動きを現しているとする見解や、数学は嘘を吐かないという今まで考えた事も無かった知見に溢れていて非常に面白く読めた。また、時間や記憶を扱った部分も非常に興味深く、人間が有限しか認識できない事や記憶を無限に保つことが出来ないのは脳の構造上の問題だという点が腑に落ちた。類書でも述べられているのかも知れないが、本書は特に解りやすく感じた。2020/04/01

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