変わらないために変わり続ける―マンハッタンで見つけた科学と芸術

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163902524
  • NDC分類 460.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

米国の母校に客員教授として2年間戻ったハカセ。本場の最新研究の驚き、科学者の眼による発見に満ちた当地の事情を叙情豊かに語る。

かつてこの街で科学を学んだ
今、この街で芸術にふるえる


●かつて研究修業時代に勤務したニューヨーク・ロックフェラー大学。
ひたすら研究に打ち込んだ日々は、私にとっての決定的な出発点(エートス)となった。
そのロックフェラー大学に、私は25年ぶりに客員教授として滞在することになる。

母校のキャンパスは、一見何も変わっていなかった。
一方、その研究は最先端のバイオテクノロジーに様変わりしていた。
記憶に作用するホルモン、未知の巨大ウイルスの発見、動物行動を制御する驚異的な脳科学のテクニック、腸内細菌の役割の再発見……。
アメリカの科学はそのエネルギーを保ち、変わらないために、変わり続けていたのだ。

そして日々の生活に目を転じると、ニューヨークの文化、生活、芸術にもまた、一切の滞留、不変を許さないダイナミズムが満ち溢れていた――アメリカそのものも、変わらないために変わり続けている。

●福岡ハカセが2013年からのアメリカで過ごした2年間の思索と冒険をノスタルジックにつづるエッセイ集。科学という営み、NYの片隅で見たフェルメールの清明さ。
発見と叙情に満ちた筆致に、あなたの心もふるえるはず。


【目次】
第一章 修業時代の母校ふたたび
第二章 世界の生命科学最前線
第三章 異国で文学を思う
第四章 食文化差の理科的考察
第五章 ニューヨークの自然観察
第六章 自由と違和感のアメリカ文化
第七章 滞在二年目だからわかること
第八章 世界を股にかけフェルメール巡礼

内容説明

未知の巨大ウイルス、記憶に作用するホルモン、NYの片隅のフェルメール。かつてこの街で科学を学んだ、今、この街で芸術にふるえる。

目次

第1章 修業時代の母校ふたたび
第2章 世界の生命科学最前線
第3章 異国で文学を思う
第4章 食文化差の理科的考察
第5章 ニューヨークの自然観察
第6章 自由と違和感のアメリカ文化
第7章 滞在二年目だからわかること
第8章 世界を股にかけたフェルメール巡礼

著者等紹介

福岡伸一[フクオカシンイチ]
生物学者。1959年東京都生まれ。京都大学卒。アメリカ・ロックフェラー大学研究員、ハーバード大学医学部研究員、京都大学助教授などを経て青山学院大学教授。2013年より2015年春まで、ロックフェラー大学に客員教授として赴任。本書はその間の思索や経験をもとに執筆された。「ネイチャー」誌に論文が掲載されるなど、最先端の分子生物学研究を経て、現在はより広い視座から生命全体のありようを探究する。文学、美術への造詣も深く、その筆致は文系読者からも高く評価されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

常磐条

43
エッセイって難しい。このテの文体に対しては“読みやすさ”よりもむしろ、“著者の不在感”や“とっかかりのなさ”だったりを感じてしまう。STAP細胞に関するネタを掲載したのは恐らく勇気だったのだろうが、ここにわかりやすく露呈している。福岡ハカセは人が良いのだろう。基本的に世の中を肯定してるように思われる。だが、本当に素晴らしいものはそうそう転がっているものではない。世に露出しているものに対する、わからなさや胡散臭さから目を背けない態度が思考停止を妨げてくれる。全てを認める寛容さよりも、今は一筋の規矩を得たい。2016/01/02

まーくん

36
三年前購入したまま積読状態に。これまでの著作と何か雰囲気が違って食いつき悪かった。が、先日たまたま手に取ったら・・そのまま読了。動的平衡の福岡先生が2013-15年ニューヨーク、ロックフェラー大学留学期間、週刊文春に連載のエッセイ集。STAP細胞事件の問題点など、専門家の観点からの説明が非常に良かった。往々にしてスキャンダラスな面に注目がいくが、科学的にSTAP細胞の何がすごくて、どこに問題があるか素人にもよく理解できた。広くN.Y.事情からフェルメールまで論じてるが、やはり生物がらみが面白かった。2018/07/17

かさお

33
福岡さんが若かりし頃、ポスドク時代を過ごしたニューヨークで再度大学で働く事になった時のエッセイ。10年くらい前の話。読んでたら、ニューヨークとかマンハッタンとか、オランダとか、色んな所へ行きたくなった。生物学者なんだけど、とにかく好奇心旺盛で、教養とユーモアと文章力があるので、面白い。色んな学問的な事も、今までは覚えようと思っても頭に入らなかったけど、福岡さんのおかげで、面白いという事が分かり始めてきた。歴史上の有名なあの人もこの人も私と同じ普通の人間、と興味を持てる。不思議な魅力。2023/07/08

akira

24
久しぶりの福岡先生本。 大学時代の専攻が近いこともあり、よく手にとっていた先生の本だが気がつけば数年ぶり。しかも今回の内容は、ポスドク時代に先生が留学されていたロックフェラー大学への客員教授としての赴任ということもあり、アカデミックな雰囲気は自身の学生時代を想起させてとても懐かしかった。 一瞬でその場の記憶を思い出す瞬間がある。思えばガウンを着た経験も一度きり。学びの原点に思いを馳せる。 「学位を授与する側の教授たちも、学位を受ける院生たちも、黒い長いガウンを身にまとい、金色の房のついた帽子をかぶる」2022/02/27

taku

16
ハカセ、客員教授として再びロックフェラー大学へ。日常の出来事や話題に科学見地をわかりやすく交えるエッセイは、興味ある内容と感触の良さで読み終わるのが惜しくなる。芸術関連は八章のみだけど、地元開催時に足を運んだ「フェルメール 光の王国展」、リ・クリエイト作品のことが書かれていて嬉しい。変化する世の中や環境にあって、自分自身がマクロ的に変わらないためにミクロで変わり続ける。私も平衡でありたいね。2021/07/15

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