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モンフォーコンの鼠

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  • サイズ B6判/ページ数 525p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163900681
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

19世紀のパリ。バルザックは美貌の侯爵夫人から自分の古いペンネームが冠された小説を預かる。身に覚えのない小説が暴走を始めた。

1831年、七月王政下のパリ。小説家バルザックのもとにカストリ侯爵夫人からファンレターが届く。同じ頃「危険思想」の集団サン・シモン主義者たちの捜査を進める警視総監代行アンリ・ジスケは公衆衛生学者パラン・デュ・シャトレにパリ郊外モンフォーコンの廃馬処理場で出会い、パリの食糧問題と衛生問題について滔々と語られる。モンフォーコンでは廃馬の内臓を餌に巨大化した鼠が出現しはじめていた。また同じ頃、サン・シモン主義をさらに推し進めた過激な社会主義者フーリエと信奉者たちは男女が完全に平等に、自己の欲望に忠実に生きる理想的共同体「ファランステール」建設を目論む。ある日、バルザックのところに美女サン・レアル侯爵夫人がたずねてきて『デヴォラン組』なる小説の三巻本をおいていく。著者は「オラース・ド・サン・トーバン」。バルザックが昔使っていたペンネームであるが、こんな本を書いた覚えはない。しかしやがてバルザックは何かに導かれるかのように第四巻『カリエールの死闘』の執筆を始めるのだった。ユートピア(ディストピア)小説でありエネルギー問題や地下王国を扱う元祖SFのような趣きもありバルザックの諸小説や「レ・ミゼラブル」を下敷きとするメタ・フィクションでもある複雑な味わいの傑作長篇。

内容説明

時代を二百年先取りした思想家フーリエ。パリの栄光と悲惨を描きつくした小説家バルザック。二人の天才を軸に、パリジャンたちの悪夢のような地下世界巡りがはじまった―。人類と鼠のエコロジカルな共棲が19世紀のパリ地下で実現!!奇想天外なストーリー。

著者等紹介

鹿島茂[カシマシゲル]
1949年横浜市生まれ。東京大学大学院修了。明治大学教授。専門は十九世紀のフランス。91年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、2004年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BlueBerry

51
序盤が面倒くさい感じでなかなか入り込めなかった。他の方のレヴューだと後半は面白いとゆー方も結構いるみたいなので頑張ろうと思ったが途中で力尽きました。機会があったらまた読んでみたい。序盤X2014/07/29

ようた

18
面白い。それなのに読むのに非常に時間がかかってしまった一冊。19世紀のパリ、そのし尿処理場のモンフォーコンを舞台にした小説。バルザックが出てきたと思えば、ジャンバルジャンも出てきて混沌としています。パリの地下に築かれるユートピアが描かれる物語かと思えば、気づけばエロとグロにまみれたディストピア小説でした。2014/08/11

えも

17
時は19世紀前半、花の都パリは糞尿の都であった。文豪バルザックも登場し、マルキ・ド・サドの文体(いや、訳者、澁澤龍彦の文体かな?)を彷彿させる怪作でした。2015/02/06

星落秋風五丈原

15
これ小説だったんですね。2023/09/26

きりぱい

9
19世紀のパリ。鹿島氏訳と思いきや作なんだからすごい。現代にまかり通っている車の廃車だってその数に至るのかどうか、馬ってそんなに処理されていたのねと廃馬処理と糞尿処理の施設が話の要でもある。そんなパリの裏側の実態に迫る警察がいるかと思えば、革命がらみの貴族がいて、バルザックに、サン・シモン主義者らに、バルザックやユゴー作品の誰や彼やまで入り乱れ、パリ中の地下通路でうごめくのだから、何が何だかもう乱脈なのに面白い。で、行き着くところがサフィエンヌ思想の欲求なのだから、ええ!?それにしても鼠にうぎゃぎゃ。2014/10/21

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