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太陽の棘

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163900537
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

終戦直後の沖縄、米軍の若き軍医は画家たちのコロニーを見つける。美術小説の旗手が挑む、沖縄画壇草創期の芸術家たちと青年の物語。

サンフランシスコにある医院のオフィスで、老精神科医は、壁に掛けられた穏やかな海の絵を見ながら、光と情熱にあふれた彼らとの美しき日々を懐かしく思い出していた……。
結婚を直前に控え、太平洋戦争終結直後の沖縄へ軍医として派遣された若き医師エド・ウィルソン。
幼いころから美術を愛し、自らも絵筆をとる心優しき男の赴任地での唯一の楽しみは、父にねだって赴任地に送ってもらった真っ赤なポンティアックを操り、同僚の友人たちと荒廃の地をドライブすること。
だが、ある日、エドは「美術の楽園」とでも言うべき、不思議な場所へと辿り着く。
そこで出会ったのは、セザンヌや、ゴーギャンのごとく、誇り高い沖縄の若き画家たちであった。
「互いに、巡り合うとは夢にも思っていなかった」その出会いは、彼らの運命を大きく変えていく。

太平洋戦争で地上戦が行われ、荒土と化した沖縄。首里城の北に存在した「ニシムイ美術村」そこでは、のちに沖縄画壇を代表することになる画家たちが、肖像画や風景画などを売って生計を立てながら、同時に独自の創作活動をしていた。その若手画家たちと、交流を深めていく、若き米軍軍医の目を通して描かれる、美しき芸術と友情の日々。史実をもとに描かれた沖縄とアメリカをつなぐ、海を越えた二枚の肖像画を巡る感動の物語。

内容説明

私は、出会ってしまった。誇り高き画家たちと。太陽の、息子たちと―。終戦直後の沖縄。ひとりの青年米軍医が迷い込んだのは、光に満ちた若き画家たちの「美術の楽園」だった。奇跡の邂逅がもたらす、二枚の肖像画を巡る感動の物語。

著者等紹介

原田マハ[ハラダマハ]
1962年東京都小平市生まれ。山陽女子高等学校、関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。伊藤忠商事、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館に勤務後、2002年にフリーのキュレーターとして独立。2003年にカルチャーライターとして執筆活動を開始。2005年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞、2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

684
ニシムイコレクションに出会ったことに端を発し、そしてDr.スタインバーグへのインタビューが本書を生み出した。小説作品としてけっして悪くはないのだが、実話に基づいている上に、当事者から聞いてしまったことが、逆に言えば創作への足枷ともなってしまったようだ。すなわち、事実の圧倒的な存在感の前に、自由に想像を拡げる余地が乏しくなってしまったということだ。最後のエピソードはあるいはフィクションかとも思うが、それ以外は基本的には再構成といったものに近いのではないだろうか。もっとも、それでも十分に価値はあるのだが。2017/05/14

613
戦後、アメリカが統治している沖縄へ軍医として赴任した主人公エドと、地元で生きるために絵を描き続けた沖縄の画家たちとの友情の話。大和人でもなく、アメリカ人にもなれない、沖縄人の心の傷や葛藤、エドの目線から語られます。戦争によって過酷な人生を背負っていく登場人物たち、また戦争がなかったら彼らが出会うことがなかったと思うと過酷な人生もまた運命と感じました。2014/11/30

文庫フリーク@灯れ松明の火

422
【Hello my friend 君に出逢った夏があったね ミューズがくれた 奇跡の夏だった】読了後、太平洋戦争末期の沖縄戦を知るため検索。「沖縄と太平洋戦争」特集NHK戦争証言アーカイブスを閲覧。物語内で僅かに触れられていた記述に対し、体験者の肉声による証言は重く、自分の無知を恥じる。酸鼻極める戦争に勝った者、負けた者。支配する側とされる側。戦後間もない米軍那覇基地に配属された若き精神科医エド。米軍の政策がきっかけで生まれた芸術家のコロニー「ニシムイ・アート・ヴィレッジ」のタイラ。【愛しくて 切なくて→2015/04/17

蒼海

398
こんなにも心洗われる物語を読んだのは久しぶりだ。最初の文章から引き込まれ、すぐにマハさんのファンになった。『一人のアメリカの青年エドが軍属の精神科医として戦後の沖縄に赴任するところから物語は始まる。彼はひょんなことから、絵筆を握り命を輝かせているニシムイの村の芸術家たちと出会い、心を通わせていく。』戦後、うちなーんちゅ(沖縄人)にとってはアメリカーもやまとんちゅ(日本人)も敵だった。憎しみを乗り越えて、エドというアメリカーとつながろうとした芸術家たちは本当に強いと感じる.↓↓↓2014/08/24

ダイ@2019.11.2~一時休止

393
終戦直後の沖縄でのアメリカの医者と沖縄の芸術家の出会い。実話をベースにしたフィクション?。原田さんらしい芸術を絡めたイイ話だった。2015/03/05

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