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あしあと

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  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163900476
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

封印された記憶、摩訶不思議な事件、倒錯の性……夢とも現実ともつかぬ男女の因縁を徹底透視し、円熟の筆と技巧が冴えわたる佳品集。

官能×文学、作家生活四十年の到達点がここに――
本書の作者である勝目梓は、若き日に「文藝首都」にて中上健次らと研鑽を積み、かつては芥川賞候補にも挙がった。その後エンターテインメントに転向、1974年、小説現代新人賞受賞作「寝台の方舟」でデビューすると、バイオレンスロマンの第一人者として一世を風靡し、一ヶ月に執筆枚数が800枚を越えたという昭和のレジェンドである。
しかし、その創作意欲は衰えを知らず、近年は『小説家』『老醜の記』など私小説でも高い評価を受けた。そして80歳を超えてなお円熟味と凄みを増している作家・勝目梓が「おそらく生まれて初めて書いた不思議な作品」、さらに「私にとって最後の作品集」と語り、デビュー40周年記念作品として刊行されたのが本書である。
その言葉通り珠玉の十篇を収めたこの作品集は、官能と文学の新境地をさらに切り拓く一冊だ。ある者はこの世に起こり得ない不思議と遭遇し(「万年筆」「あしあと」)、ある者ははるか彼方に封じていた記憶を呼び起こし(「記憶」「橋」)、ある者は倒錯の性に搦めとられていく(「人形の恋」「影」「秘技」)……。
作品の年代は戦前から現代までと様々だが、作者自らが目にしてきた時代をそれぞれに切り取り、作品の奥行きをさらに広がってゆく。いずれも夢とも現実ともつかぬ時空を自在に往来し、エロスを妖しく漂わせる、まさに名人芸の粋に達した佳品ばかりだ。作家の逢坂剛氏も「創作意欲の衰えなどみじんも感じさせぬ、逸品ぞろいの作品集に仕上がった。勝目さんの小説は、とても傘寿を超えた作家とは思えぬほど若わかしく、清新な感性に満ちあふれている」(文藝春秋「本の話」)で惜しみない賞賛を送っている。
短篇小説を極めた本物の作家、渾身の作品集が見事に誕生した。

著者等紹介

勝目梓[カツメアズサ]
1932年東京に生まれる。様々な職業に就きながら、同人誌『文藝首都』の同人となり小説を発表。1974年に「寝台の方舟」で小説現代新人賞を受賞。以後、バイオレンス、サスペンスをはじめとする幅広いジャンルで活躍、2006年には初の自伝的小説『小説家』を発表し、各誌紙で絶賛された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミッフー

112
予想以上の凄い短編❗️カッコいい、渋すぎ、心に染みる🌟全10小説、全てエロといえばエロなんだけど、エロにくどさが無く寧ろ人の業、諚、神秘、宇宙感、宗教的世界に似た壮大さを感じさせる🤔今まで勝目氏を単なるエロバイオレンス作家と一括りしていた自分を恥じずにはいられなくなると共に、自分のエロさがいかに青く浅はかで性根が座ってないものかを知らしめられた💦真のエロとは今まで己の歴史でもある自己中やウケ狙いとは大きく異なり、人生や生涯をかけた命懸けのものであり、安易に論じ結論ずけるものではないと教えられた㊙️2019/03/20

モルク

73
全10編による官能×文学の短編集。新聞の書評欄で好評価を受けていたため手にとる。過去の封印していた記憶がある些細なきっかけで、おぼろげだったものが鮮明な記憶としてよみがえってくる。あぁ、思い出さなければよかったのか…。「ひとつだけ」「封印」がよかった。官能とあるが、性描写は多少あるものの、エロ好きな人にはそれを期待しすぎると肩透かしですぞ。2019/04/07

まーしゃ

35
官能的で想像を掻き立てられる短編集。10編どれも面白いが『ひとつだけ』『あしあと』が面白く『万年筆』はファンタジーも感じられた。逢坂さんの寸評に偶然が必然に変わる事ってあるんよなぁ〜って思いながら読んだ。2019/04/24

ω

32
男性作家さんとはあとがきで知ったω!女性が主人公の、やや官能要素多目、ミステリ少なめの短編が多かったので、てっきり女性だと思い込ませる、それも作家の力量( ^ω^ ) かなり良質な短編集だったので、読んで損はない! 大型犬のは引いた〜(´・ω・`;)2019/11/14

コーデ21

15
勝目梓氏、初読みです。「官能×文学、作家生活四十年の到達点」という新聞の書評を見て図書館で借りてきたんですが…う~ん、官能らしき設定はあるものの、どうも隔靴掻痒(コラ)でいまひとつ(-_-;) でも過ぎ去りし昭和の香りと確かな筆力には敬服です。就寝前、眠りを誘うナイトキャップには最適かも^^;2015/07/29

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