「今昔物語」いまむかし

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163900223
  • NDC分類 913.37
  • Cコード C0095

出版社内容情報

平安時代末期の生活をリアルに伝える「今昔物語」。混迷の現代にこそ、その世界観を検証する意味があると考える著者が切り込む。

いま甦る「今昔物語」のリアル

平安時代末期の生活をリアルに伝える「今昔物語」。混迷の現代にこそ、その世界観を検証する意味があると考える著者が切り込む。

内容説明

「今昔物語」の超絶的面白さを照らし出す。碩学がエッセイで緻密に明らかにする豊饒すぎる世界。

目次

羅生門の暗がり
廃屋のミイラ死体
犬に食われる子供たち
深夜の女患者
笞を持つ女
汚物の詩学
平安京のニューリッチ
業平東下り
気の弱い怨霊
人妻の引出物
赤鼻の五位
見るなの箱
后妃の淫行
地回りの神
弓矢の威力

著者等紹介

野口武彦[ノグチタケヒコ]
1937年東京生まれ。神戸大学名誉教授。1973年、『谷崎潤一郎論』で亀井勝一郎賞受賞。1980年、『江戸の歴史家』でサントリー学芸賞。1986年、『「源氏物語」を江戸から読む』で芸術選奨文部大臣賞。1992年、『江戸の兵学思想』で和辻哲郎文化賞、2003年、『幕末気分』で読売文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Gummo

32
貴人のスキャンダラスな私生活から貧困層の悲惨な日常まで、説話集『今昔物語』に描かれた平安時代の日本社会の姿を、様々なテーマで検証していく。羅生門には2階に登る階段はなかったとか、在原業平が一生の間に契った女性の数は3733人とか、雑学的記述が面白い。現代的なモラルや合理的精神とは無縁の、裸のリアルな人間模様が刺激的。★★★☆☆2014/04/11

やいっち

16
3年ぶりの再読。やはり、面白い。2017/04/03

fseigojp

13
平安末期から鎌倉初期の乾いたリアリズムがよくわかる2019/07/21

HMax

13
「眠れないほど面白い『今昔物語』」の解説書として読了。表紙の絵が何とも言えず良し。当時は生死の一線がきれいに分かれているようで、また「草葉の陰」「野辺の送り」が比喩ではなく、実際の様子であったというのが、まるで仰天ニュースで見るインドのようです。江戸時代に書かれた「考訂今昔物語」「雨月物語」と比較すると、平安から600年後の江戸時代は、現代と近いものがあるのですね。それでも、1000年たっても変わらないものも多いです。「嘆きつつ一人寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る」藤原道綱母2017/12/02

ムージョ

2
今昔物語を江戸時代の注釈書や芥川龍之介の小説などと比較して考察している。古典らしく直截な表現と内容だが、時代ごとにその解釈は変わっていく。芥川の小説が気に入らないようだが、芥川はあくまで今昔を下地に近代小説を書いたんだからあれでいいと思う。平安時代がどうだったかを伝えたいわけじゃないと思うし。今昔物語の特徴はやはり最後の教訓にある。現代人が読むと頓珍漢としか思えないものも多いが、それこそが時代による解釈の違いなのかも。平安時代というととかくみやびなイメージだが、実際はタフでなければ生き抜けないと確信する。2017/09/23

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