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癌だましい

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  • サイズ B6判/ページ数 122p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163808208
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

食道癌を患う中年女性の食への執着を壮絶に描いた表題作と、受賞後に自ら癌で死去する直前まで推敲していた絶筆「癌ふるい」を収録。

内容説明

末期癌を患いながら執筆、文學界新人賞受賞の衝撃作。著者はその10日後、世を去った。絶筆「癌ふるい」も必読。いまだかつてない闘病小説。

著者等紹介

山内令南[ヤマウチレイナン]
1958年、岐阜県生まれ。岐阜大学医療技術短期大学部看護学科卒業。2011年、「癌だましい」で第一一二回文學界新人賞を受賞。受賞第一作「癌ふるい」を脱稿後、5月19日に、食道癌のため逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

里季

69
文學界新人賞受賞の表題作と「癌ふるい」。著者山内令南は受賞して10日後に食道癌で亡くなった。両作品とも、同じ癌を患う女性が出てくる。食道の狭窄部の痛みをものともせずに食べ物に執着する「癌だましい」の主人公には死を目前にした人間の鬼気迫るものを感じた。それに比べ、癌になったが積極的治療はしないと決めたことを知人友人親戚に一斉メールし、その返信に点数をつけて列挙した「癌ふるい」。この段階になると山内は死を受け入れ、穏やかな気持ちになってさえいるように感じた。最後の一文で山内は神に召されたと思った。2016/01/27

なゆ

64
末期の食道がんを患いながら書いた表題作で文學界新人賞を受賞し、受賞後第一作の『癌ふるい』脱稿の10日後亡くなられたということに驚く。どちらの話も、末期がんと診断されたが治療はしない女性の話。食べることが生きがいなのに飲み込めなくなる状況のなか、癌に闘いを挑みかけるように食べ続ける『癌だましい』。家族も友達もいない孤独も癌も蹴散らすように食べる姿に慄く。『癌ふるい』は、末期がんだが治療しないという宣言メールを友人知人に一斉に送り、様々な反応の返信メールに点数をつけるという興味深い作品。2018/01/21

あかは

58
「癌だましい」文學界新人賞受賞作。一緒に収録されている「癌ふるい」を脱稿された後、食道がんで亡くなる。勿論、内容は2つとも食道がんに罹患した女性が主人公。作者も食道がん。これはね、正直言葉が出ない。すさまじすぎる。生きざまが。魂の叫び。作者は看護大出身だから、よくわかっていたと思う。本当に安易な言葉で感想なんか書けない。圧倒された。治療をしない選択ってどれほどの思いだろう。よければ、読んで欲しい。2020/03/15

そうたそ

46
★★☆☆☆ 末期癌を患いながら作品を書き上げ、文學界新人賞受賞の10日後に逝去し、授賞式にも出席することができなかったという衝撃的な作品。フィクションとは分かっていながら、どうしても作中の主人公と作者自身を重ねて読んでしまう。個人的には、この作品は作者自身が末期癌を患っていたという背景があって初めて成り立つ作品なのかな、という思いがしないでもない。純粋に純文学として読めば凡作であるような気もする。併録の「癌ふるい」は癌と判明後、知人からきたメールに点数を付けるという一片のユーモア感じる一作。2016/01/10

rokoroko

27
少し読んで親しい気持ちになって著者の生年月日を見たら同じ年だった・・この本を書き上げ10日ごに亡くなったという。作品は皆食道がんにかかっている女性の話。そして著者も食道がん。心情が書かれた本。どんな気持ちで書いたのかしら2024/01/09

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