生命と記憶のパラドクス―福岡ハカセ、66の小さな発見

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163756707
  • NDC分類 460.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

かそけき「流れ」たる生命をつなぎ止めるもの、それが記憶なのか――。科学的かつ叙情的な筆致が読者の生命観を変容させる好エッセイ集

かそけき「流れ」としての生命、それをつなぎ止めるのは記憶なのか――。福岡ハカセこと生物学者・福岡伸一先生の好奇心はとどまるところを知りません。
生命は流れの中にある、という「動的平衡」の視点から語られる科学、進化、書物、芸術、そして記憶。地球で最も繁栄している生物は人間ではない? DNAや指紋で本当に本人確認ができるのか? 筋トレでつけた筋肉も実は子どもに遺伝する? フェルメールの独特の画風の秘密は科学にあり? 自在に往還する科学者の視点が、読者の常識と生命観をゆさぶってゆきます。
生物学者・福岡先生のファンはもとより、芸術と科学のあいだをつなぐフェルメールの紹介者としての福岡先生のファンにもお勧めしたい一冊。わかりやすいのみならず、叙情的で美しい文章に彩られ、実は「動的平衡」ワールドをもっとも親しみやすく表現した一冊でもあります。
科学の語り部として現在もっとも支持される著者の、日々の思索に触れられるエッセイの数々は、理系、文系を問わない魅力に満ちています。「週刊文春」連載を再編・加筆。

内容説明

福岡ハカセが生命と記憶をめぐる長い旅の末、たどり着いた、清冽なナチュラリスト宣言。

目次

ハカセの記憶
ハカセの旅
ハカセの進化
ハカセのIT
ハカセの読書
ハカセの芸術
ハカセのナチュラリスト宣言

著者等紹介

福岡伸一[フクオカシンイチ]
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。青山学院大学教授。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)など、「生命とは何か」を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

47
福岡ハカセの「記憶」「旅」「進化」「IT」「読書」「芸術」をめぐる66の小さな発見。彼のモットーは「調べる。行ってみる。確かめる。また調べる。可能性を考える。実験してみる。失われてしまったものに思いを馳せる。耳をすませる。目を凝らす。風に吹かれる」である。文化や社会とのかかわりのなかで生命観を紡ぐエッセイは、いつも何かしら刺激を与えてくれる。「種というのは交配が可能な生物集団のことをいう」「飢餓や渇きが人を殺すのではない。その前に孤立と絶望が人を殺すのだ」「文明とは、私たちが私たちの外部に作り出した仕組み2014/01/11

キジネコ

32
人間はね進化の過程で産まれた傑作ではなくて、天文学的な数に及ぶDNAのミスコピーの一つに過ぎない・・って言われて、思わず納得しました。ともすれば自分達を基準にして宇宙や地球や自然環境を語ってしまいますが それもなんだか 片手落ち(^^ゞ 地球の王様みたいな顔してエバってても 実は地球の主役は別の種族・・・ いつの日か?進化のフィルターを人類が通過できないという悲(喜)劇に見舞われるかも?子孫のための真面目な心配となりました。相変わらず分かり易い文章で難しい事をサラッと話してくれて 凄く楽しい読書でした。2013/11/19

アーちゃん

29
図書館本。初「福岡ハカセ」本。理系の方のエッセイは、幅広いジャンルを分かり易く書いて面白いものと、専門分野に特化しているけれど分かり易く面白いものがありますが、福岡ハカセは正に前者。初出が2010~2011年の週刊文春との事なので、読んでいたのがあったかもしれません。今更ですが、福岡ハカセは「生物と無生物のあいだ」の著者だったのですね。いずれそちらも読んでみたいと思いました。2018/03/18

Kikuyo

28
「生物と無生物のあいだ」の著者福岡ハカセのエッセイ。人間の本質を統合的に俯瞰することを意識した文章は楽しみながら読める。 「進化に目的はない。変化は偶然にしか起こらない、しかも無目的にしか生じない。」「進化のプロセスでは、失うこと、捨てることにも積極的な理由がある。」 生命を、切り分けて・突き詰めて研究する手法も大切だけど、文化や社会との関わりの中に根を下ろすことも大切。そういった意味ではハカセのような存在は貴重だと思う。 「人間は、暗い牢獄から狭いスリットを通して世界をかいま見ているにすぎない」2017/09/29

ポン

20
『生物と無生物のあいだ』の著者福岡ハカセのエッセイ。人柄が感じられる文章と内容。とても面白かった。子ども時代の昆虫好きの話やポスドク時代の苦労話も福岡ハカセの成り立ちが垣間見えるようで興味深く読んだ。2022/07/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5308378
  • ご注意事項