昭和史裁判

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 383p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163742700
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0095

出版社内容情報

松岡洋右、広田弘毅、近衛文麿、木戸幸一、昭和天皇を俎上に。半藤は検察官として罪状に迫り、弁護士加藤は情状酌量の根拠を開陳。

太平洋戦争開戦七十年
昭和史研究のツートップによる
白熱の歴史討論!

 あの戦争を始めたのは、だれか。
 太平洋戦争開戦から七十年を経たいま、それを解明することは大きな意味を持ちます。そこには「軍部の独走」を断罪するだけでは済まない、開戦決定の複合的な政治メカニズムがありました。広田弘毅、近衛文麿、松岡洋右、木戸幸一ら、政治リーダーたちが犯した間違いと失敗の本質。歴史探偵・半藤一利さんと『それでも、日本人はあの戦争を選んだ』の著者・加藤陽子(東大大学院教授)さんが、それぞれ「検事と弁護人」となって徹底的に検証します。白熱の「歴史法廷」論戦にご期待ください。

内容説明

「軍部が悪い」だけでは済まされない。七十年前のリーダーたちは、なにをどう判断し、どこで間違ったのか。いま「失敗の本質」を白日のもとに晒すべく徹底的に検証する。

目次

第1章 広田弘毅(開廷に先立って;東京裁判と『落日燃ゆ』 ほか)
第2章 近衛文麿(天皇の次に偉い男;金はなかった、人気があった ほか)
第3章 松岡洋右(外務省「大陸派」;伏魔殿、帝国外務省 ほか)
第4章 木戸幸一(自称「野武士」、ゴルフはハンディ「10」;名家の坊やが抱えたルサンチマン ほか)
第5章 昭和天皇(初陣の日中戦争;勃発からひと月で海軍の戦争に ほか)

著者等紹介

半藤一利[ハンドウカズトシ]
昭和5年(1930)東京・向島生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋に入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役などを経て、作家に。『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、『ノモンハンの夏』で山本七平賞、『昭和史1926‐1945』『昭和史戦後篇1945‐1989』で毎日出版文化賞特別賞受賞

加藤陽子[カトウヨウコ]
昭和35年(1960)埼玉県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』で小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

36
戦争の昭和史を彩った日本のリーダー、広田、近衛、松岡、木戸、昭和天皇を取り上げ、検事を半藤一利、弁護士を加藤陽子という役回り(天皇は逆)で歴史的責任を問うという趣向の対談本。半藤は戦勝祝いの提灯行列を記憶する戦前の子供世代。近衛と木戸は華族、広田と松岡は外交官出身。軍の統帥権問題、首相選任過程など複雑怪奇な世界。日中戦争、仏印進駐、米国の制裁と日米開戦までの紆余曲折を一望できた。松岡の唱えた「大東亜共栄圏」を、ドイツ勝利後の英植民地を確保するために独立を附与し新たな宗主国を予防すると見立てた話が興味深い。2019/11/11

風に吹かれて

16
半藤氏、加藤氏が弁護人になったり検察官になったりしながら、広田弘毅、近衛文麿、松岡洋右、木戸幸一そして昭和天皇という軍人ではない人々が昭和の戦争の時代、日本をどのように導いたかを語り合う。側近の日記や様々な資料を読み込んでいる二人の話なので、それぞれの人物が時代にどう影響を与えていたのかが巧みに浮き彫りにされ面白かった。  語れば語るほど弁護しきれない人物たちであることが明らかになっていく。半藤氏の「昭和天皇のまわりには不忠の臣ばかり」という一言を実感させてくれる本である。 2021/10/05

小鈴

15
直近で読んだ「日本外交の過誤」を相対化してくれる。日中和平の可能性は濃厚にあったがソ連対戦に陸軍が向かうならば年間10億円の戦費をだした方がまし。南部仏印進駐で英はでて来ないはずだから米も出てこないと誤算、日米交渉では外交官が陸軍よりも強硬派で非協力的。連盟脱退は松岡の独壇場ではなく、熱河作戦が深く絡み連盟規定で除名される可能性がある中のギリギリやりとり。三国同盟は快進撃続ける独勝利後のアジア利権にのっかるための戦略などなど。また、亡くなったものに罪を着せ戦争中の親独派が戦後は親米派に。岸信介など。2015/12/28

ぬぬよよ

14
日本の近代史はある意味ダイナミックで興味深い出来事や人物が多いです。近代史に興味ある方には読んでほしい。2020/03/11

ぼんくら

7
半藤一利が検事、加藤陽子が弁護士になって昭和史を裁く。軍人抜きで政治家、外交官の広田弘毅、近衛文麿、松岡洋右、木戸幸一、番外として昭和天皇を登場させる。次々と出てくる人たちについてほとんど何も知らず、要所要所にある解説を読んでも良くわからないが、わからないながらも日本が戦争に向かっていった流れのようなものを感じた。天皇陛下はただのお飾りだと思っていたが、実はすごい人だったんですね。2012/02/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4025351
  • ご注意事項