ルリボシカミキリの青

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163724300
  • NDC分類 404
  • Cコード C0095

出版社内容情報

生命は自己の中に矛盾を内包した存在である……。科学者としての旅路の中から「動的平衡」に続く新たな生命のロジックに到達する。

内容説明

朽ちかけた木の襞に、ルリボシカミキリがすっとのっていた。嘘だと思えた。しかしその青は息がとまるほど美しかった。しかも見る角度によって青はさざ波のように淡く濃く変化する。それは福岡ハカセがハカセになるまえの、まぎれもないセンス・オブ・ワンダーの瞬間だった。

目次

第1章 ハカセの研究最前線
第2章 ハカセはいかにつくられたか
第3章 ハカセをいかに育てるか
第4章 理科的生活
第5章 『1Q84』のゲノムを解読する
第6章 私はなぜ「わたし」なのか?
第7章 ルリボシカミキリの青

著者等紹介

福岡伸一[フクオカシンイチ]
青山学院大学理工学部教授(分子生物学専攻)。1959年東京生まれ。京都大学卒。ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授を経て現職。分子生物学の最前線で研究活動を続ける一方で、難解な概念をわかりやすく解説した著作を数多くものし、サイエンスの魅力を一般読者に伝えつづけている。2006年、第1回科学ジャーナリスト賞受賞。主著に『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書、サントリー学芸賞・新書大賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

237
実に魅力に富んだタイトルだ。空の青さでも、海の青さでもなく、フェルメール・ブルーでもない「ルリボシカミキリの青」。神秘的で、それは生命そのものの本質を象徴的に語っているかのようだ。そして、それが福岡ハカセが生物に引き寄せられた出発点であったらしい。その後の著者の基本姿勢は「動的平衡」という言葉に尽くされる。本書は「週刊文春」への連載コラムをまとめたもので、したがって1回分は短く読みやすい。それでいて例えば、Y染色体の発見や、GP2の項目など、読んでいてさえワクワクする筆力だ。(コメントに続く)2015/04/10

獺祭魚の食客@鯨鯢

62
「好きなことが最後まであなたを励ます」は氏の昆虫好きを象徴しています。  NHKの「ボクの自学ノート」の不登校の主人公の少年を見守る母親。生物と無生物、正常と異常という二項対立で考えるのでなく、命そのものへの暖かいまなざしを両者の間にこそあると考えます。  古人のように自然現象をも生物(妖怪)のしわざと考えるのは極端ですが、日食の原理を知っている現代人でさえその仕組みにはセンスオブワンダーを持たざるを得ません。  好きなこととはからだの中から湧きだすエネルギーであり、生きることを後押ししてくれます。

ヨクト

23
プロローグの「好きなことをずっと好きであり続ける旅程が、驚くほど豊かで、君を一瞬たりともあきさせることがないということ。そしてそれは静かに君を励まし続ける」が響いた。福岡さんのエッセイ集。視点が相変わらず面白かった。生物をとおして、食や医療、芸術の世界を覗いてみるとまた違った世界があるんだね。機能性食品は「気のせい食品」で笑った。「ハチミツの秘密」は驚いた。ちなみに僕が幼いころはテントウムシの模様に魅了されていたなぁ。2013/06/06

たー

21
科学の面白さ、福岡ハカセの人柄が独特の文体でよく伝わってきて面白い。ルリボシカミキリの本ではありません。2010/12/11

えんび@灯れ松明の火(文さんに賛同)

19
「living jewels」という本を昔もらった。カラフルで美しい甲虫達、自然が作り出した動く宝石の数々が大好きな私。なので、この本が「ルリボシカミキリの青」でなければたぶん手にする事はなかったはず。かつての昆虫少年、分子生物学の研究者・福岡伸一さんのエッセイ集。(注:虫の本ではありませんw)とても読みやすく、難しい事もわかりやすく、いつの間にか福岡ハカセ・ワールドを堪能していた。「センス・オブ・ワンダー」学ぶことへの希求はその気づきから出発する。ステキな本だった。お勧めっ!!2010/07/07

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