内容説明
社会のあらゆる場面で“孤立化”が進むいま、私たちはどう生きるべきか?「自己決定・自己責任」の呪縛を解く。
目次
1 非婚・少子化時代に
2 働くということ
3 メディアの語り口
4 グローバル化時代のひずみ
5 共同体の作法
6 死と愛をめぐる考察
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒。東京都立大学大学院博士課程中退。現在神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第6回小林秀雄賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
26
社会的な振る舞い方の根本原則は、「世の中が全部自分みたいな人間ばかりになった時でも愉快に生きていけるような生き方をする」。無根拠な楽観、自己利益の追求に警笛を鳴らす内田先生の丁寧なお言葉集です。本書では難しい話はそこそこに、共同体・相互扶養を重んじる社会に戻ることこそこれからの私たちの生きる道という考えの、たくさんの理由が述べられています。ズバリ。的中している部分も多いですが、なかなか、なかなか。2018/12/15
ayumii
21
仕事を分業化・細分化して責任の所在を明らかにしすぎた結果、労働の価値は限りなく下げられてしまった。それが若者達の孤立化・貧困化につながってしまう。どうしてそうなってしまったのか、内田さんは必ずしも若者達が悪いのではない、とおっしゃる。人と本当の意味で関わり合って生きるとはどういうことなのか。なぜ関わらないと生きていけないのか。今回も論理的な文章に、思わずうなずいてしまう。2019/08/25
魚京童!
13
この人らしい話がずっと続いている間ブログってそういうもんだと思うし2017/03/30
ねねこ
12
いつもの内田センセイでした。読むと心が落ち着きます。あなたなしでは生きていけないんだ!っていう関係になれる人、増やせるといいなぁ。与えて欲しいなら自分から相手に与えて行こう。最後の方に絵と音楽についての考察が少し出てくるのですが、非常に興味深かったです。「音楽は「時間」意識の涵養のための技芸である」「写実画からは腐臭がする(写実画は死んだ自然を描いている)」2015/12/15
うさうさ
11
様々な社会問題を変わった切り口で論じている。なるほどなぁと思う反面、やっぱり難しくて脳が理解を拒んでいる。何だろう、言葉が難しいのかな。前半の若者の就労問題や少子化などは身近なテーマで解りやすかったのだけど、後半はもうほとんど興味も失くしてしまった。なぜこのタイトルなのかも不明なまま。2014/12/24