走ることについて語るときに僕の語ること

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  • サイズ B6判/ページ数 241p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163695808
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

1982年秋、専業作家としての生活を開始したとき、彼は心を決めて路上を走り始めた。それ以来25年にわたって世界各地で、フル・マラソンや、100キロ・マラソンや、トライアスロン・レースを休むことなく走り続けてきた。旅行バッグの中にはいつもランニング・シューズがあった。走ることは彼自身の生き方をどのように変え、彼の書く小説をどのように変えてきたのだろう?日々路上に流された汗は、何をもたらしてくれたのか?村上春樹が書き下ろす、走る小説家としての、そして小説を書くランナーとしての、必読のメモワール。

目次

前書き 選択事項としての苦しみ
第1章 2005年8月5日ハワイ州カウアイ島―誰にミック・ジャガーを笑うことができるだろう?
第2章 2005年8月14日ハワイ州カウアイ島―人はどのようにして走る小説家になるのか
第3章 2005年9月1日ハワイ州カウアイ島―真夏のアテネで最初の42キロを走る
第4章 2005年9月19日東京―僕は小説を書く方法の多くを、道路を毎朝走ることから学んできた
第5章 2005年10月3日マサチューセッツ州ケンブリッジ―もしそのころの僕が、長いポニーテールを持っていたとしても
第6章 1996年6月23日北海道サロマ湖―もう誰もテーブルを叩かず、誰もコップを投げなかった
第7章 2005年10月30日マサチューセッツ州ケンブリッジ―ニューヨークの秋
第8章 2006年8月26日神奈川県の海岸にある町で―死ぬまで18歳
第9章 2006年10月1日新潟県村上市―少なくとも最後まで歩かなかった
後書き 世界中の路上で

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

577
読メ登録記念すべき3000冊目、本棚を眺めていたらバチッと目が合ったこちら。春樹さまがランナーであることは存じ上げていたが、これほどストイックに計画を立て、自らを律し、著作、ひいては人生の一部(いや大部分か…)を占めているとは知らなかった。著作の方向をも変えたと言い切るランニング、そのこだわり。わたし自身は数年前に膝をやっちまうまでは、趣味で中距離走っていたが、今は中距離を「泳ぐ」人生に転換。走行中のマントラはとても納得できる。泳ぎながら人生を考えるヒトにわたしもなりたい。語らないけど。2021/10/16

ヴェネツィア

170
この本を読むまでは、村上春樹がこれほどに本格的なランナーだとは知らなかった。なにしろ2006年の時点で(春樹57歳)フルマラソンの完走が24回、ウルトラマラソン(なんと100km)が1回、トライアスロンも数回こなしていたというのだから、ほんとうに驚きだ。また、本書を読むと、彼が本質的に長編小説の作家であることと、長距離ランナーであることとは大いに関わりがありそうに思えてくる。末尾にある村上春樹の墓碑銘「少なくとも最後まで歩かなかった」なんて、随分とカッコイイではないか。まるで和製ギャツビーみたいだ。2012/10/11

ehirano1

137
著者が小説を書いてみようと思い立った瞬間に驚かされました。得てしてこんなもんなんでしょうかね。「偶然は必然である」が信条の当方としては、著者の潜在意識の中にきっと「小説を書いてみようと」という意識があったはずではないかと思うのですが・・・。2017/07/14

うりぼう

132
先週、水・木と久しぶりに発熱、読書もままならず、週末から今日まで、バタバタと過ごす中で読了。30歳近くから、走り始め、市民マラソンも数回走った私の経験と重なる。人は、自分の人生を選択して生きていると改めて思う。身体を壊して、走らなくなった今も、強烈にあの時期を懐かしく思う。書にもあったように、本当に身体は正直である。適度な負荷に筋肉は、必ず応えてくれる。その快感が、継続を生む。そして、身体の老い、どんなに練習しても下降する記録、その中で走る目的が問い直される。彼がエッセイでなくメモワールという所以だろう。2010/09/12

優希

108
村上さんは16歳の頃からずっと走っているということに驚かされました。走ることが人生を考えるのに繋がっているのかもしれません。走ることは自分と向き合うことだから。今もまだ走り続けているのかが気になります。2017/03/11

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