家計簿の中の昭和

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  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784163690001
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

つましく暮らし、よく働き―わたしの昭和はゆたかだった。敗戦、高度成長からバブル崩壊まで―著者自身の出納記録帳の行間に過ぎ去りし日々の面影をさぐる、珠玉のエッセイ集。

目次

貧乏物語ではなく…
満洲引揚げの決算
はじまりの五厘硬貨
パーマと「電髪」
大家になる
作家の助手生活
きもの入門の記
祖母の弔い
母との二人旅
平和還る
三度の心臓手術
デビュー作のころ
都電今昔ものがたり
五味川さんの闘病
安保の年の結婚式
向田さんとの旅日記から
石油危機と買占めの日々
一六銀行
終の棲家を買う
借金完済の日

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なにょう

15
平成最後の夏。昭和も遥かになりにけり。澤地さんの手元に残った昭和38年5月から現在(平成17)までの金銭出納のノート。戦前は10銭、50銭が大切な暮らしだった。渡満して終戦、預金封鎖に遭う。この経験が著者の金銭感覚に決定的なものを与えたか。★就職、闘病、独立、旅行。細々と支出が記される。「使い果たして二分残る」よくもまあこんな数多の困難をくぐり抜けていらしたものだ。終戦の日に。2018/08/15

kamakama

7
8年前に図書館で借りて、一度読んでいたのに、まったく忘れていました。情けない。今回は古本を購入して読んだのですが、なんと裏表紙に、澤地久枝さんのサインが入ってました。宝物を手に入れた気分です。この作品は文庫でも出ていますが、こちらの方が装丁がとても素敵で好き。表紙は、なんと安野光雅さんの絵でした。2024/04/13

musicdanbo

3
日々の暮らしを記録した家計簿が立派な史料になるとは。 記録を続け、それを長く保存しておくことはとても難しいことだけれども。2016/11/16

小春

3
日常の細々したものの値段を見るのが好き。武田百合子の「富士日記」が好きなのも、多分にそのせい。 これまで、石油ショックの時にトイレットペーパーの買いだめに走った人をやや小馬鹿にしてたが、あの時代、戦後のモノ不足を知っていた人たちが家計を担っていたんだ、と気づかされた。国は簡単に国民を裏切り、あてに出来ないと知っていたから、という下りにドキリとした。2014/11/05

はやみ

3
緻密に記録された澤地さんの家計簿。昭和の激動期を、凛と生きた姿の清々しいこと!ご本人もおっしゃるとおりつましい生活ながら、それは現代のような殺伐としたものではなく、お金や時間の丁寧な使い方にどこか豊かさすら感じる。雑貨ひとつ、下着に至るまで壊れた物は一度ならず修理をして大事にする、知識として知ってはいたものの、使い捨て時代に生まれた私にとって、なんだか恥じ入る思いだった。本書のすごいところは、家計簿から時代が見えるということ。歴史的大事件の中にも人々の生活があったことを、やわらかい文章で綴ってくれている。2011/08/24

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