出版社内容情報
世界のハルキ・ムラカミの最新作。「飼い犬に手を握られた」など驚異の108篇。ミニエッセイ、カラーイラスト、4コマ漫画つきの痛快版。
「ありの世界は、なんでもありだ」「飼い犬に手を握られた」――世界のハルキ・ムラカミの最新作は、〈犬棒かるた〉の向うを張る〈村上かるた〉です。名コンビ・安西水丸画伯は、カラー・イラストはもとより4コマ漫画も大サービス。
内容説明
私、フランス人。日本のことよくわかりませんが、村上かるたは山猫ルンバですよ。はい、うさぎ丼におしんこつけてください。
目次
アリの世界はなんでもありだ
いくら否認しても、妊娠八ヶ月なの
うさぎおいしーフランス人
遠足じゃないよ、新婚旅行だ
お嬢さん、素敵な虫垂ですね
かわいい魚屋、山賊がねらう
キミがよくてもシロミがまずけりゃ
クマの宴会で耳たぶをとられた
けっこうこたえる、山猫ルンバ
困りますね、お客さん、素顔じゃ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
192
連日真面目に小説を書き、またランニングを欠かすことなく(しかも結構ハードな)ストイックな生活に明け暮れる村上さん。時々、こんな馬鹿な事をして(本人も当然自覚の上で)自らの精神を解放する必要があるのだろう。ご本人はそれでいいとして、では読者にとっては?…残念ながら何の役にも立ちません。もっとも、これまた多くの読者はそれを承知の上で読んでいるからいいのですが。全編これ徹頭徹尾パロディのオンパレード。見方を変えれば駄洒落の連発。俎上に上るのは彼が敬愛する作家やジャズメンたち。アメリカ文化が大好きな村上さんです。2014/08/10
ムッネニーク
113
44冊目『村上かるた うさぎおいしーフランス人』(村上春樹 著、安西水丸 絵、2007年3月、文藝春秋) 村上春樹×安西水丸というお馴染みのコンビが繰り広げる、どこまでもバカバカしくてゆるゆるな雑文集。 「かるた」をモチーフにした、50音から始まる駄洒落的文章の連続に、脱力すること間違いなし。 スパゲッティを茹でながら読むのに最適な一冊。 「レノンに腕押し、ラブ・アンド・ピース」2022/06/20
chantal(シャンタール)
81
とにかくバカバカしいダジャレや下ネタに溢れたカルタ。「こんなもの書いてる暇があったら小説を書いてくれ」と言われるかもしれないと、ご本人も気にしているようだが、ついついそう思ってしまうよ😅でも、仕事も人生もメリハリが大切。時にはこんなバカバカしい作品も必要なのかも。所々チクッと風刺も効いてるし。そして、安西水丸さんとはやはり最強タッグだなあと思う。私的にツボだったのは「すこししたらジミヘンを出してやれ」と「ホットケーキのおかわりも三度まで」。2021/11/10
けんとまん1007
73
何だろう・・・くだらない・・・のが、じわじわとくる。読みだすと、止まらない感じ。パロディなので、元ネタをどの程度知っているのかで、面白さが違う。あお、安西さんの絵がいい味を出している。こんなセンス、持ちたいなあ~。2022/07/02
momogaga
67
村上さんの小説を完読できるようになったのは、雑文を楽しく読めたお陰です。久しぶりにユーモア満載、時にはブラックありの雑文を読めて大満足です。そして、安西水丸さんのイラストは最高ですね。2021/06/14