出版社内容情報
『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』などで知られる漫画家・水木しげるに一年強の密着取材。奇人の評がある水木の実像を多面的に描く
内容説明
『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』などで知られる漫画家・水木しげるに一年強の密着取材。奇人の評がある水木の実像を多面的に描く。
目次
第1章 正体不明の人
第2章 妻と娘と別荘と
第3章 アメリカの霊文化を訪ねる旅
第4章 戦争体験の夏
第5章 交錯する群像
第6章 さらなる探索
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フロム
3
評伝、自伝を含めて数ある水木本のなかで本作は間違いなく決定版に位置する。「ねぼけ人生」「ほんまにオレはあほやろか」等とぼけたタイトルが多い水木だが、本作を一読すれば水木自身が人生そのものが戦いであり。彼の著作全てが水木戦記と呼ぶにふさわしい壮絶なものであると理解できる。2010/11/14
readtuktuk
2
〈僕が試みたのは、七十歳を越した水木氏に一定期間付き添い、どこへでも同行してその言動を書き留め、うちいくつかの点について自分なりの考察を加えて、魅力的ではあるが正体のよくわからない妖怪のような人物の実像に、少しでも迫ることだった。〉一年を越える濃い取材。水木氏が片腕を失くした戦地ラバウルは、先月観た映画『野火』を思い出させた。しかし、水木氏はそのラバウルを「天国」と見るんだよな。不思議だし、ここまで取材して本当にすごい。2015/12/12
c
1
普通に名著。二十年前の刊行だが、評伝の決定版と言っていいのでは。水木しげる作品そのものや或いは断片的な情報から、何となく「こうではないか?」と思っていた漫画家像がより明瞭になった。本人が自己演出し、メディアでも喧伝される「水木しげる」は当然ながら虚像である。ただ、著者の取材の間、計算高く俗情まみれの人間・武良茂の姿を晒すことにも全く躊躇いがないのだ。それが驚き。普通なら、自らが望む自己像との矛盾や齟齬を少しでも取り繕おうとするだろう。しかし本人は気にも留めていないようだ。矛盾はあって当たり前という態度。2015/11/19
のの。
1
読めば読むほど理解に苦しむ面もある。しかしそれが水木先生の魅力なのでしょうね。2011/01/12
澤水月
1
矛盾も含めて肉薄。好感持てる筆致2010/10/26