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月と蟹

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163295602
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報


きっと生涯忘れない、子供タチとカミサマの物語

小学生の慎一と春也は「ヤドカミ様」なる願い事遊びを考え出す。100円欲しい、いじめっ子をこらしめる――他愛ない儀式はいつしかより切実な願いへと変わり、子供たちのやり場のない「祈り」が周囲の大人に、そして彼ら自身に暗い刃を向ける……。
注目度ナンバー1の著者による最新長篇小説。鎌倉の風や潮のにおいまで感じさせる瑞々しい筆致で描かれる、少年たちのひと夏が切なく胸に迫ります。

内容説明

「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも」やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。やがてねじれた祈りは大人たちに、そして少年たち自身に、不穏なハサミを振り上げる―やさしくも哀しい祈りが胸を衝く、俊英の最新長篇小説。

著者等紹介

道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年生まれ。2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。07年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞を受賞。09年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞。10年『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞、『光媒の花』で第23回山本周五郎賞を受賞。ミステリーにとどまらず、ジャンルを超えた活躍で常に注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にいにい

441
小学5年生10歳、子供を卒業しそうで、でも大人ではない年齢、親との死別や複雑な家庭環境等から生ずる理不尽さ、やり場のない思いから、ヤドカミ様を創ることで逃げようとする。でも、ヤドカミ様は暴走。親の恋愛、性を受け入れられないのに、それを目の当りにさせられ、自身の性との葛藤も、登場人物の言葉にできない感情がリアルに伝わってきて、読みを止めたり、描写の鮮やかさに、その文をじっくり味わったり、切なさに悶えたり、そんな醍醐味を存分に与えてくれる人間が描かれた一冊。微妙な距離感の友人。関係が変化してゆく描写が絶妙。 2016/02/05

遥かなる想い

423
第144回(平成22年度下半期) 直木賞受賞作品。道尾秀介という作家、本当に才能がある人だと思う。ミステリもうまいし、何よりも読者を惹きこませる筆力がある。子供視点のこの小説が醸し出す雰囲気は初期の宮本輝の作品群にも似てひどく懐かしい。大どんでん返しがあるわけではないが、読書中の異常な緊張感は読書の醍醐味で本作でも裏切られない。心の中に巣食う悪意のようなものも丹念に描かれている。 ヤドカリには少し無理がある気がするが、心理描写の手段か。2013/04/27

修一朗

390
子供と道尾秀介。この組み合わせにはイヤな先入観を持っていました。でも今回は違いました。子供に向ける眼が優しい。どうすることもできない環境の中,その中で自分なりに決着つけるためにもがく子供達。激しく揺れる子供の心情を丁寧に描いています。[大人になるのは難しい] 秘密基地を作ってヤドカミ様に願掛けしてしまうくだりには大いに共感(俺もヤドカリ炙ったなぁ)。リアリティと不気味さを兼ね備えており,子供の焦燥感や切迫感を鮮やかに切り出せています。まさにスタンドバイミーでの死体探し,禁じられた遊びでのお墓作り。2014/04/16

takaC

314
-願いが本当になるはずなんてない。-2011/05/10

kaizen@名古屋de朝活読書会

297
直木賞】著者の作品は苦手だった。初めは恐る恐る読み進んだ。学園物で地域物。鎌倉が舞台。蟹も登場するが、ずっと出てくるのはザリガニ。「ザリ神」として祀るところが妙。やや暗め。不快感はない。2013/12/12

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