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四雁川流景

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163293707
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

龍が淵公園、櫟平団地、四雁川。芥川賞作家が想像の町を舞台に人々の生と死を緻密に描く。仏教、禅に通じる世界観の豊かな短編集。

内容説明

出逢い、別れ、そして流れゆく、川の水の如き群像の心。僧侶にして芥川賞作家がおくる、鮮烈な「一期一会」の作品集。

著者等紹介

玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年福島県生まれ。慶應義塾大学文学部中国文学科卒業。83年、天龍寺専門道場に入門。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。2001年、『中陰の花』で第百二五回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takanoske

5
7つの短編集。どれも読みやすい。中でも布袋葵と中州が好きだ。 *Aデールは、タイトルから推察してどんな内容かと思って読んだ。作中でADLのことだと判明して、納得。 *残り足は義足の事が、出てきたので、読み終わって思い出す内容が、ちょっと前に読了した夢野久作の一足お先にとかぶった。参った^^;  *布袋葵では過去の恋愛をホテイアオイと被せてきれいに描いている。 玄侑さんの文章は表現が美しく、かつ読みやすくスーっと入ってくる。良本。 2013/12/31

カツイチ

5
こういう小説を読むと大人になった気がする(笑)。死や老いといった避けられないことに向き合う普通の人々を描いて、劇的ではないがしみじみと町ごと丸ごと立ち上がってくる。心のBGMは美空ひばりの名曲でした。2010/11/24

KAZOO

4
四雁川という流れを中心に据えた連作短編集。老養介護の話がいくつか出てきますが、そんなに深刻にならずに最後まで読み通すことができました。やはり作者が現職のお坊さんということもあるのでしょうが最後に救いがあるようなほのぼのとした読後感が味わえました。日常のさりげない話題をうまく感動の余韻を残すということで最近の本のように無理に読ませようということが見えないのでよけい感動しました。2011/12/11

あきこ

4
短編が7つ。どれも穏やかで優しい文章だ。舞台になっている街はすべて同じで、どこか穏やかで優しい。それぞれに人間が生きていれば出会ってしまう悲しみが登場するが、それを負と思ってはいけないよ、誰でも心には何かを抱えているんだよ、がんばらないで静かにやっていけばいいんだよ、と教えられているような安堵の気持ちになれる。7つのなかでは「Aデール」が良かった。人間っていいな、暖かいなと思えた。2011/03/03

彩美心

3
玄侑さんの本は精神性が高いから好きだ。何かしら学ぶところがある。この短篇集から何を学べたのかは本当のところよくわからないのだけれど、それでも私の心のなかに確かに残った風景があった。四雁川のそばで営まれる人々の暮らしには、平凡でいて平凡でないそれぞれの陰影があった。福島であろうそこに存在した当たり前の暮らしを思う。2013/04/16

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