バッド・モンキーズ

ラフ，マット【著】〈Ｒｕｆｆ，Ｍａｔｔ〉/横山 啓明【訳】

文藝春秋（2009/10発売）

• サイズ B6判／ページ数 310p／高さ 19cm
• 商品コード 9784163286204
• NDC分類 933
• Cコード C0097

出版社内容情報

自分は悪を倒す秘密組織の殺し屋だ──殺人犯が語る奇怪な活劇譚。妄想か現実か？　深まる謎が臨界に達した時、衝撃的な真相が。

内容説明

“あたしは悪を殲滅する組織の一員なのさ”殺人で逮捕された女ジェインは、精神科医にそう告げた。鮮やかなオレンジ色の銃で悪を葬る―それが自分の任務だと。標的＝幼児連続殺人犯、連続男娼殺し、爆弾魔…ジェインの口から語られる悪との壮絶な対決。だが、彼女の告白は「真実」なのか？すべてを監視する「眼」、雑誌に隠された暗号、斧を持つピエロ…都市伝説の不安にアメリカン・コミックのクールネスを搭載、奇術師の周到さで仕立てた、超鋭利な一気読みハイパーアクション！最終章のめくるめく反転に瞠目せよ。

著者等紹介

ラフ，マット［ラフ，マット］［Ｒｕｆｆ，Ｍａｔｔ］
１９６５年、アメリカ、ニューヨーク市生まれ。現在、妻のリサ・ゴールドとともにシアトルに在住。コーネル大学在学中に書きはじめた長篇作品Ｆｏｏｌ　ｏｎ　ｔｈｅ　Ｈｉｌｌで１９８８年、作家デビューを果たす。サイバーパンクの影響下にあるＳＦ長篇、Ｓｅｗｅｒ，Ｇａｓ＆Ｅｌｅｃｔｒｉｃ：Ｔｈｅ　Ｐｕｂｌｉｃ　Ｗｏｒｋｓ　Ｔｒｉｌｏｇｙに続く第三長篇Ｓｅｔ　Ｔｈｉｓ　Ｈｏｕｓｅ　ｉｎ　Ｏｒｄｅｒでジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞、ワシントン州図書賞を受賞、国際ＩＭＰＡＣダブリン文学賞にもノミネートされた

横山啓明［ヨコヤマヒロアキ］
１９５６年生まれ。早稲田大学第一文学部演劇学科卒。英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[＊maru＊]

殺人で逮捕された“わたし”。本編の語り手は、悪と戦う秘密組織「バッド・モンキーズ」の一員だと嘯くジェイン・シャーロット。“わたし”を尋問する精神科医相手に悪との壮絶な戦いを語る彼女。その告白内容は、はたして真実なのか─。ぱっと見、B級臭強めの本書。ドラッグやアメコミ的ガジェットとアクションシーン満載で読み心地もイメージ通りなんだけど、内容の割にはと言ったら失礼だがオチが結構しっかりしているもんだから驚いた。そして、思いの外楽しめた。たまには、こんなコミカルな作品を読んでみるのも悪くない。

2019/06/06

[icchiy]

久しぶりにテンションが上がった本書！　なんつーか、はちゃめちゃ度はランズデールっぽく、ド派手なガジェット満載、主人公ジェインの告白は真実なのか夢物語なのか？　邪悪を倒すべく存在する組織と、その反対にいる軍団。なんだかもうパルプフィクションの世界ではあるのですが、めちゃくちゃ面白く読ませてもらいました。寺田克也さんの表紙も楽しい。そういえばランズデールのも寺田さんだったなぁ。

2020/04/26

[すけきよ]

陰謀論、妄想、都市伝説、中二病、信用できない語り手、の区別が全くつかない怪作。クロスワードのキーが指示になってたり、後部座席に斧を持った男がうずくまっていたら喜ぶ人向け（笑）コミック的展開と精神病的不安を両輪にラストまで突っ走り……何とも言えない非現実感。この手の小説であまり感じたことのない読後感だなぁ。ちょっとダメージを受けやすい装丁（これもいい！）なんで、コレクターは新刊買いした方がいいかと。

2009/10/15

[nonnomarukari（ノンノ〇（仮））]

最初はユージュアル・サスペクツみたいな展開を予想したんだが、実は主人公の話があっていたというオチでびっくり。だが、話の全体としては悪を倒すという目的の機関に配属されるようなわくわくさせる設定なんだが展開はそれにおいついてないような肩透かしをくらう内容だっった。まあ、処女作だからしかたがないかな。著者の次の作品に期待してみよう。

2010/12/13

[アラフシア]

殺人で逮捕されたある女が精神科医に独白する。自分は「バッド・モンキーズ」という組織に属し、悪と対決する殺し屋であると。この告白は果たして真実か、あるいは…。わたし向きではなかったようです。現実と妄想のラインが読後もはっきりしなくて、消化不良。装丁は作品に合っていて、なかなかすてき。原題"Bad Monkeys"

2010/01/29